骨盤骨折の手術の際には骨盤の模型が超有用!3Dプリンターもかなり使えます!

 

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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること!仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい!日々の勉強のため、また、同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思いブログを書いています。➡︎詳しいプロフィールはこちら

よせやん

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

今日は朝から骨盤骨折の骨接合手術をやっていました。骨盤の手術は前方でも後方でもやっぱり大変です。結局手術時間は5時間くらいかかりましたが、出血も1000ml以下で血管損傷、神経麻痺などの合併症なく手術は終了。

今回の骨盤の手術を通して思ったことは、

骨盤骨折の手術の際には骨盤の模型が超使える!!

ということです。

というわけで、今日はこのことに関してお話ししようと思います。

骨盤の解剖

骨盤骨折の手術に際しては、術前に解剖の教科書などを読み、解剖学的位置関係に関するイメージを作っておくことは非常に大切です。

骨盤は、下図のように構造が立体的で非常に複雑な構造になっています。

ですので、こういう骨盤のイラストを見ていてもなかなか3次元で構造を理解することは難しいと思います。

骨盤骨折の手術

骨盤骨折の手術は部位にもよりますが、その他の骨の骨折の手術と比較してかなり大変です。

腸骨骨折や恥骨骨折に対するプレート固定はまだいいのですが、仙腸関節や寛骨臼後壁脱臼骨折でプレートを当てる場合などは手技に慣れるまではかなり苦労するかと思います。

骨盤は非常に深部に存在するので骨盤に達するまでに展開すべきものが多く、展開しても他の骨と違って良好な視野はなかなか得られません。また、骨盤骨折の手術では出血も多くなることが多く、手術時間も3〜4時間を要することは少なくありません。さらには、骨盤周囲には重要な神経や血管などが多く存在しており、それらの損傷や牽引による麻痺には注意を払う必要があります。

しかしながら、やっとのことで展開を終えプレート固定しようと思っても、プレートのベンディング(骨に沿うようにプレートを曲げること)がまたこれかなり大変です。先ほどお話ししたように骨盤は3次元的に凸凹に富んでおり、長管骨と違って骨に沿わすのが難しいのです。

そんな骨盤の手術ですが、感染を起こしてしまうとその患者さんのQOLは大きく低下してしまう可能性が高く、感染には細心の注意を払わなくてはなりません。3時間を超えた場合には術中に抗生剤を追加する、過度に手術時間を長引かせないなどの対応が必要です。

骨盤骨折の手術には模型が超有用!

そんな骨盤骨折の手術に際しては、下のような骨盤の模型が非常に有用です。

まず、術前に見て、触って、手術する骨盤の部位の構造を立体的に理解しましょう。

2次元のイラストを見ているよりもはるかに理解が容易になります。

また、手術の際には骨盤の模型を近くに置くようにしましょう。

それによって、常に骨盤骨折の全体のイメージができるようになります。また、例えばプレートをスクリューを用いて固定する際にも、そのスクリューホールからどの向きに行ったら安全なのか、どれくらいの長さのスクリューが入るか、対側皮質を抜いて倍コーティカルに固定するべきなのか、抜かずにキャンセラススクリューで固定すべきなのかをイメージしやすくなります。

最初にお話ししたように、骨盤の周囲には大事な神経・血管などが存在しており、これらを損傷すると大出血や神経麻痺などのリスクがありますし、腹腔内に穿孔すると腸管損傷などを起こすリスクがあるため、スクリューを打つ際には十分に注意を払う必要があるのです。

こういった合併症が起きてしまう可能性を少しでも減らすためにも、模型を事あるごとに見て、自分の頭の中でイメージすることが非常に有用だと思います。

同じように3Dプリンターも有用

また、同じように3Dプリンターも非常に有用です。

3D-CTを撮影し、これを3Dプリンターを用いてあげれば、その患者さんの骨盤の解剖をあらかじめ触って確かめることができます。

また、手術でプレートを当てる場合、プレートをベンディングして骨に沿うようにするのがめちゃくちゃ大変なのですが、3Dプリンターがあればそれを用いてプレートのテンプレーティングをおこない、術前に使うプレートの長さを決定し、さらにはプレートをベンディングしておくことが可能になります(それを滅菌して手術で使用する)。

3Dプリンターを用いた術前にプレートのベンディングを行うという方法は最近の学会などでは散見されますが、骨盤骨折に関しては本当に有用だと思います。

今回の僕の手術も2枚のプレートをベンディングするのに一番時間がかかっており、そこが短縮できればおそらく1時間近く手術を早く終えることができたと思います。

最初に述べたように、骨盤骨折の手術においては感染には細心の注意を払う必要があるので、感染対策としても手術時間が短くなることは非常に意味があることでしょう。

おわりに

以上、今回は骨盤骨折の手術の際には骨盤の模型が超使える!!ということについてお話ししました。

それにしても、3D-CTもない時代に骨盤骨折の手術をやっていた先生方は本当にすごいと思います。3D-CTがあってもなかなか骨盤の立体構造を理解するのは難しいのに、どうやって手術をやっていたんだろう。

そう考えると非常に便利な時代になってものですね。科学の進歩に感謝です。

 

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