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「半月板損傷の治療」②アスリート編(縫合術VS切除術)目指せスポーツドクター|サッカー日本代表チームドクターを目指して 「半月板損傷の治療」②アスリート編(縫合術VS切除術)

      2017/09/01

「半月板損傷の治療」②アスリート編(縫合術VS切除術)

 

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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること!仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい!日々の勉強のため、また、同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思いブログを書いています。➡︎詳しいプロフィールはこちら

よせやん

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

昨日は香川選手が所属するドルトムントの試合がありました。香川選手は最近は出場機会が減っていまいたが、シリア戦で2得点を決めた勢いのまま昨日は74分に途中出場し、77分に逆転ゴールを決めました。この調子でまた頑張ってもらいたいですね。今日のACミランの試合はどうやら本田選手は怪我の影響でメンバー外のようです。残念ですが、代わりに岡崎選手のレスター戦を観戦します。

今日は夜、この間行われた日本整形外科学会サッカー大会の祝勝会があります。美味しいお酒を飲んできたいと思います。

さて、今日は昨日の続きで、半月板損傷の治療に関してやっていきます。
今日は特に、アスリートに対する半月板損傷の治療、そして、縫合術と切除術の比較をしていこうと思います。

アスリートに対する半月板損傷の治療

半月板損傷に対する治療の一般的な考え方については、昨日の記事で確認してください。
ただし、アスリートの場合には、さらに他の要素も考える必要性が出てきます。

それは、

アスリートにとっては早期スポーツ復帰という点が非常に大切

になってくるからです。

怪我をしたことがある人ならわかるかと思いますが、怪我をしている時期が長いとパフォーマンスが低下する可能性があることはもちろんですが、チームスポーツの場合には怪我をしている期間が長いほどメンバーから外されてしまったり、選抜・代表に呼ばれなくなってしまう可能性も高くなってしまいます。

したがって、早期スポーツ復帰を希望する場合が多く、半月板縫合術より早期スポーツ復帰が可能と考えられている半月板切除術が選択されることも多いのが現状です。

また、治療後に自己ベストの状態に復帰できるかどうか(術後成績)も非常に大事な要素の一つになってくるでしょう。そして、昨日お話した通り、長くプレーを続けたいならば半月板機能の温存を図ることも非常に大切です。

ですので、

アスリートおよびそれに関わる人は、半月板切除術と半月板縫合術の利点・欠点をしっかりと理解した上で、治療方針を決定していく必要があります。
では、実際に半月板縫合術と半月板切除術では術後成績や復帰までの時期がどのくらい変わるのでしょうか。

アスリートに対する部分切除術VS縫合術

今回は上記のことを比較している論文の内容を紹介します。

この論文では対象とされているのは、術後1年間以上の経過観察が可能であった98例(男性61例、女性37例)111膝で、手術時年齢は平均19.0歳、内側半月板損傷が28膝、外側半月板損傷が83膝です。

受傷時のスポーツは、サッカーが23例と最多であり、バスケットボール、野球と続き、上位3つで半数を占めています。Lysholm score(膝の状態を示すスコア)、スポーツ復帰までの期間、再手術率が比較されています。

結果は下図に示す通りです。

半月板縫合VS半月板切除

この論文の要点

・術後Lysholm scoreは、部分切除群は縫合群と比較して低値であり、特に外側の場合は縫合術と比較して成績が不良である。

・スポーツ復帰率は、部分切除群では内側・外側ともに約84%と低値であった。

・スポーツ復帰までの期間は、部分切除群で平均4ヶ月であり、縫合群の6ヶ月より早期であった。

・再手術率は外側半月板では有意な差を認めなかったが、内側半月板では部分切除群で6.7%、縫合群で15.4%と縫合群で高値であった。

( 山本祐司ら.臨床スポーツ医学.2012 )

部分切除術と縫合術の利点・欠点

では、上記の結果と昨日の内容を踏まえて、それぞれの利点・欠点をまとめてみます。

縫合術 切除術 比較

他の論文では、

エリートスポーツ選手42名45膝に半月板縫合術を施行し、81%の症例が術後平均10.4ヶ月で受傷前の同レベルへのスポーツ復帰が可能であったが、再手術率は26.7%と比較的高かった(内側36.4%、外側5.6%)と報告されています。
( Logan M, et al. Am J Sports Med. 2009 )

また実際には、

半月板部分切除術を行った19例中18例が術前と同等かそれ以上のレベルに復帰してプロ選手としての実績を残したという報告もあり、短期成績が安定している半月板部分切除術は、選択肢として存続し得ると思われます。
( 大谷俊郎.臨床スポーツ医学.2012 )

治療する際には、以上のことを踏まえて、治療法を考えていきましょう。

若年の選手は、半月板機能温存のために縫合術を可能な限り選択すべきでしょうが、トップ選手の場合は、復帰が早く短期成績が安定している部分切除術も考慮すべきでしょう。しかしながら、切除術後に急速な軟骨破壊・長期的に見ると変形性膝関節症のリスクが上がるということ、外側半月板に対する切除術は縫合術と比較して予後が不良であることなど、治療のリスクなどに関しても知っておくべきです。

おわりに

今回は、アスリートを対する半月板損傷の治療について考えてみました。

医師はもちろんですが、アスリートおよびそれに関わる人は、半月板切除術と半月板縫合術の利点・欠点をしっかりと理解した上で、年齢や現在の状況などを踏まえて治療方針を決定していくことが重要です。

怪我をした際にはきちんとその怪我のことを勉強するようにしましょう。

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

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