サッカー日本代表チームドクターを目指す整形外科医のブログ

目指せスポーツドクター

カテゴリー

検索

スポーツ医療者の検索はこちら。医療者の方は登録もお願いします。

内側半月板後根断裂(MMPRT)の術後リハビリテーション|可動域・荷重訓練・スポーツ復帰など

 
Sponsored Link
Sponsored Link
この記事を書いている人 - WRITER -
サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
詳しいプロフィールはこちら

 

どうも、こんにちは。
整形外科医のよせやんです。

よせやん

今日は仕事を終えて、久しぶりに金曜ロードショーを見ていました。

やっていたのは、チャーリーのチョコレート工場です。

タイトルは幾度となく聞いたことがありましたが見たのは初めてでした。

コメディながら人生について考えさせられることもあり面白い映画でした。

 

さて、今日は時間が遅くなりましたが、以前からお話ししている最近の膝関節外科のトピックの一つである内側半月板後根断裂(MMPRT)の術後リハビリテーションについてまとめます。

 

整形外科疾患の手術治療において、手術の出来と同じくら術後リハビリテーションが大切です。

手術が上手くいったとしても、術後のリハビリテーションが上手くできていないと、当然のことながら術後成績は悪くなる可能性が高くなります。

 

術後リハビリは適切な時期に適切なメニューをしっかりと行うことが大切ですし、その手術ごとにリハビリで何が大切なのかしっかりと理解しておくことも大切です。

よせやん

Contents

内側半月板後根断裂の治療方法

まず、 内側半月板後根断裂(MMPRT)について簡単に復習しておきましょう。

 

MMPRTは、前回紹介しように膝関節の退行性病変を急激に悪化させることがわかってきているのでした。

 

簡単にだけ復習しておくと、

MMPRTによりHoop機能が破綻し、内側半月板の荷重分散機能が失われるために、次第に半月板の逸脱も生じ、結果、早期に関節軟骨の変性やOAが進行してしまうことになるのでしたね。

 

MMPRTが保存的治療な治癒することはありませんので、基本的には手術適応になるのでした。

よせやん

 

MMPRTのリハビリテーション

というわけで、今日の本題のMMPRTのリハビリテーションについて紹介していきます。

 

まず、リハビリテーションの全体像をわかりやすく表で紹介しておきます。

 

MMPRTの術後リハビリテーションの基本は、荷重制限と慎重に進める屈曲荷重です

 

ここはMMPRTの術後リハを行う上のポイントなのでしっかりと理解しておきましょう。

よせやん

MMPRTの術後は約3ヶ月で骨孔半月板移行部の組織学的治癒は正常化されると言われています。

なので、一般的な半月板縫合術後のリハビリテーションと比較して、MMPRTの術後は荷重や可動域の進め方は慎重でゆっくりです。

半月板のHoop構造は半月板の荷重分散機能に大きく関わり、特に内側半月板後根は屈曲すると負荷が大きくなるため、屈曲荷重にはかなり気を遣う必要があるのです。

 

しかし、MMPRTは主に中高齢者に多いので、スポーツ復帰を目的とすることは少なく、日常生活復帰と膝痛の改善が一般的な目標になってくると思います。

 

なので、急ぎ過ぎずに時間をかけて安全に確実に日常生活復帰を目指しましょう。

よせやん

ここからはリハビリの各項目を順に見ていきましょう。

 

可動域訓練

まずは、MMPRT術後の可動域(ROM)訓練についてです。

 

MMPRT術後のROM訓練
  • 術後2週間:外固定
  • 術後2週〜:0〜30°
  • 術後3週〜:0〜60°
  • 術後4週:0〜90°
  • 術後5週〜:0〜120°
  • 術後12週〜:制限なし

 

術後2〜3週間はKnee braceなどでしっかりと外固定を行います。

そこからは1週間ずつ30°ずつ可動域を上げていきますが、膝屈曲120°以上のいわゆる深屈曲は術後3ヶ月間制限します。

これは、今までに説明してきた通り、深屈曲位で半月板後根に負荷が大きくかかってしまうためです。

 

でも、基本的に膝が90°曲がれば普通に座る姿勢が取れるので、120°まで許可していたら日常生活ではそんなに困らないと思います。

よせやん

荷重訓練

続いて、MMPRT術後の荷重訓練についてです。

 

MMPRT術後の荷重訓練
  • 術後2週間:免荷
  • 術後2週〜:1/3荷重
  • 術後3週〜:1/2荷重
  • 術後4週:2/3荷重
  • 術後5週〜:全荷重(制限なし)

 

術後2〜3週間は免荷としてしっかりと膝の安静を確保します。

そこから1週間おきに荷重量を上げていき、術後5週から制限なしとします。

 

施設によってはもっと慎重に荷重プログラムを進めているところもあるかもしれません。

 

いずれにしても荷重に関しても慎重に進めていく必要があり、可能であれば術後も定期的にMRI検査で半月板のHoop構造が保たれているか確認することも大切です。

よせやん

スポーツ復帰

最後に、MMPRT術後のスポーツ復帰についてです。

 

MMPRT術後のスポーツ復帰
  • 術後3ヶ月〜:ジョギング
  • 術後4ヶ月〜:ランニング
  • 術後5ヶ月〜:コンタクトプレー
  • 術後6ヶ月〜:完全復帰

 

MMPRTは主に中高齢者に多く、日常生活復帰と膝痛の改善が一般的な目標になってくることが多いとは言いましたが、中にはやはりスポーツ愛好家や比較的若年で受傷する患者さんもいます。

そんな方には上記のような形でスポーツ復帰を進めています。

 

スポーツへの完全復帰は術後リハビリが順調にいって術後6ヶ月なので、一般的な半月板損傷とそこは大きく変わりません。

よせやん

おわりに

以上、今回は最近の膝関節外科のトピックの一つである内側半月板後根断裂(MMPRT)の術後リハビリテーションについてまとめました。

 

いつも患者さんに説明することですが、整形外科疾患の治療において、手術の出来と同じくら術後リハビリテーションが大切です。

手術が上手くいったとしても、術後のリハビリテーションが上手くできていないと、当然のことながら術後成績は悪くなる可能性が高いです。

 

術後リハビリテーションが上手く行かない要因としては、術後のリハビリテーションの質が悪い場合ももちろんあるでしょうが、それ以外にも患者さんのコンプライアンスが悪く努力しない場合や、復帰を急ぎ過ぎてリハビリのプロトコルを守らないケースもあります。

 

術後リハビリは患部安静の時期も含めて、適切な時期に適切なメニューをしっかりと行うことが大切ですので、その手術ごとにリハビリで何が大切なのかしっかりと理解しておくようにしましょう。

よせやん

 

本気でスポーツ医学と運動器診療を学びたい人のために!

  • どこにいても(都会でも地方でも)
  • 誰でも(医師・理学療法士・鍼灸師・柔道整復師・トレーナー・学生などスポーツに関わる全ての人)
  • いつでも(24時間)

利用可能なスポーツセミナー動画配信サービス!!

1週間1円トライアル実施中!!

この記事を書いている人 - WRITER -
サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
詳しいプロフィールはこちら
関連記事(一部Sponsored Link含む)

- Comments -

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


Copyright© 目指せスポーツドクター , 2022 All Rights Reserved.