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内側半月板後根断裂(MMPRT)とは |疫学・受傷起点、症状、内側半月板後根の働きも解説!

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
整形外科医のよせやんです。

よせやん

今日は久しぶりに医学系の記事を書こうと思います。

疾患について書くのは本当に久しぶりかもしれないですね。

勉強していることはたくさんあるので、少しずつ備忘録としてブログを書いて皆さんにも共有しようと思っているのですが・・・忙しさにかまけてサボっていました。

どこまで続くかわかりませんが、また少しずつ記事にしていきますね。

 

というわけで、今回は近年話題となっている内側半月板後根断裂(MMPRT)とは何なのか紹介しようと思います。

それに合わせて、内側半月板後根の働き、疫学や典型的な受傷起点、症状なども解説していきます。

 

膝の診療に関わる人には是非知っておいて頂きたい内容です。

よせやん

内側半月板後根断裂(MMPRT)とは

内側半月板後根断裂は、名前の通り内側半月板後根の断裂のことですが、英語でMedial Meniscus Posterior root tearと訳されるため、略してMMPRTと呼ばれることが多いです。

図:内側半月板後根断裂の関節鏡所見

 

後根とはどこのことか忘れている方もいると思うので復習しておきましょう。

半月板の解剖・機能についてはずっと昔にまとめたことがありますので、詳しく復習したい方はこちらの記事をご覧ください。

 

半月板の外周1/3は血行がありred zoneと呼ばれ、この部に発生した小断裂は自然治癒する可能性があります。

これに対し、内周2/3(自由縁側)は血行がないためwhite zoneと呼ばれ、自然治癒が難しい部位になります(図1)。

半月板 形態 名称
図:半月板の名称(図のピンク色の部分がred zone、白色の部分がwhite zone)

 

半月板は3つに大別すると前節・中節・後節(または、前角・体部・後角)となりますが、5つに分けると以下のようになります(上図)。

半月板の部位
  • 前角(anterior horn)
  • 前節(anterior segment)
  • 中節(middle segment)
  • 後節(posterior segment)
  • 後角(posterior horn)

 

内外側の半月板の前角と後角の先端部はmeniscal rootと呼ばれ、脛骨に強固に付着しています。

この内側半月板のmeniscal rootの断裂がMMPRTというわけです。

 

近年、この半月板後根(meniscal root)が半月板の機能において重要な役割を果たしていることがわかってきています。

よせやん

内側半月板後根の働き

まず、内側半月板後根の働きについて紹介します。

 

内側半月板後根は、主に前後方向への安定性に対するsecondary restraintとして働き、また半月板の逸脱を防止することにより、内側コンパートメントにおける内側半月板の荷重分散機能に大きな役割を果たしています

 

歩行時には体重の約2.8倍の重さが膝にかかりますが、半月板のHoop機能によりこれを分散させています。

しかし、MMPRTを生じることにより、Hoop機能が破綻し、内側半月板の荷重分散機能が失われます。

MMPRTが生じると接触圧は約30%増加し、次第に半月板の逸脱も生じます。

結果、早期に関節軟骨の変性やOAが進行してしまうことになります。

 

また、MMPRTは大腿骨内側顆特発性骨壊死との強い関連が示唆されています。

これは続発性不全骨折が生じることで壊死が生じると考えられています。

 

このように、MMPRTは膝関節の退行性病変を急激に悪化させることがわかってきています。

MMPRTを放置すると平均30ヶ月で約31%がTKAに至ることも報告されています。

 

そのため、近年ではMMPRTを的確に診断し、適応症例に対しては積極的に修復術を行うべきと認識されてきています。

よせやん

MMPRTの疫学・症状

今回の最後に、MMPRTの疫学だけ紹介して終わろうと思います

 

MMPRTは中高年の女性に多く、軽微な外傷により膝窩部に激痛を生じて発症します。

典型的な軽微な外傷としては、段差を踏み外す、階段やバスのステップを降りる、小走りするなどといったもので、患者さんは受傷起点を自覚していることが多いと言われています。

また、多くの患者さん(文献上では87〜90%)が受傷時に「ブチッ」というようなpop音を自覚しています。

 

文献上でMMPRTを生じる軽微な外傷の頻度も報告されています。

  • 段差を降りる:38%
  • 犬の散歩:18%
  • 膝の深屈曲:13%

多くは、膝軽度屈曲位で体重がかかった際に生じるということがわかっています。

 

その後、膝関節の腫脹や疼痛が継続しますが、初期にはX線では変化が出ず、MRI所見もまだまだ馴染みがない医師が多いため、初診時には見逃されることが多いと言われています。

OAや特発性骨壊死に進行するリスク因子としては以下のものが報告されています。

MMPRTが進行するリスク因子
  • 膝の内反アライメント
  • BMI高値
  • MRIのBone marrow lesion
  • 内側半月板の逸脱

 

この中でも、特に内側半月板の逸脱が最も相関の高い因子であることがわかっています。

 

おわりに

以上、今回は近年話題となっている内側半月板後根断裂(MMPRT)とは何なのか紹介しました。

 

膝を専門とする人は必ず知っておかないといけないテーマです。

最近、どんどんと研究が進んでいて、面白いテーマでもありますね。

 

というわけで、今後MMPRTの画像診断や手術治療、リハビリテーションなどについてもまとめようと思います。

よせやん

 

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