アキレス腱断裂に対する早期運動療法を併用した保存療法|足の外科の最新の話題を紹介

 

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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること!仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい!日々の勉強のため、また、同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思いブログを書いています。➡︎詳しいプロフィールはこちら

よせやん

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

この週末はとても忙しく過ごしていました。木曜日・金曜日は足の外科学会で愛知県の名古屋に行って、どちらも上の先生に飲みに連れて行ってもらい、土曜の夜はもちろんサッカー日本代表戦観戦をしました。ほとんど新しい発見も見る価値の内容な試合でしたが。

それで土曜日は日本サッカー協会のお仕事でJリーグの仕事を出張でしてきて、夜はフットサルの練習試合。疲労困憊で眠りにつき、今日は朝から病院の回診当番だったので回診をした後、急いで社会人サッカーの試合に行きました。サッカーは久しぶりでしたが、サッカーはやっぱりフットサルとはまた違って面白いですね。

さて、今日は先日参加してきた足の外科学会で聞いた最新のトピックを少しだけ紹介しようと思います。

何についてかというとアキレス腱断裂の治療法についてです。

正直目新しいことはあまりないだろうとほとんど期待せずに聞きに行った「アキレス腱断裂の保存療法VS手術療法」というディベートで聞いた内容です。

文献の内容までメモできませんでしたが、ここで述べる内容は基本的に全て信頼度の高い文献的内容に基づいた内容ですので、内容は信頼して頂いていいかと思います。

最近では、アキレス腱断裂の治療が保存療法についても大きく変わってきており、早期運動療法を併用した保存療法が行われてるようになってきています。

時代遅れの治療をしないように医療関係者の方はしっかりと勉強しておきましょう。

アキレス腱断裂の治療法の今までの考え方

アキレス腱の治療法については以前に下の記事でお話ししました。

この記事でもお話ししていますが、まずはアキレス腱断裂の治療法について簡単に復習しておきましょう。

一般的にアキレス腱断裂の治療法には保存療法手術療法があり、断裂早期に治療を行えばいずれの治療を選択しても6ヶ月後の経過は変わりません。 

しかし、それぞれの治療にはメリットとデメリットがあり、これらを理解した上で治療方法を決定する必要があります。

保存療法

まず、保存療法についてです。

保存療法

メリット

  • 手術をしないでよい
  • 感染率が低い

デメリット

  • 再断裂率が高い
  • 社会復帰・スポーツ復帰が遅い

手術療法

続いて、手術療法です。

手術療法

メリット

  • 再断裂率が低い
  • 社会復帰・スポーツ復帰が早い

デメリット

  • 感染率が高い
  • 手術をしなければいけない

というように、保存療法、手術療法にそれぞれメリット、デメリットがあります。

僕はアキレス腱断裂を受傷する30〜40代の患者さんやアスリートにとっては早期社会復帰、スポーツ復帰が重要であるし再断裂を予防するためにも基本的に手術療法寄りに患者さんにお話をしてをどちらの治療法にするか決めてもらっていました。

早期運動療法を併用した保存療法

では、今回の学会で聞いた最新の知識や考え方を紹介していきましょう。

まずは、保存療法と手術療法の再断裂率に差はないというもの。

ただし、今までと同じ保存療法をしていた場合はやはり手術療法の方が再断裂率は低いというのは変わりなく、保存療法では12.6%、手術療法では3.5%ほどであると言われています。

手術療法のところで早期運動療法についてお話ししたのを覚えているでしょうか?

早期運動療法は、術後早期から可動域訓練や荷重訓練を行い腱断裂部に適度な緊張を加えることで、機械的刺激により早期に膠原線維の新生と整列化が起こり、腱線維は急速に増生して腱全体の破断張力が増加する組織的な治癒過程を促進するを期待するものです。

また、臨床的にも腱縫合部の癒着や足関節の拘縮、腓腹筋萎縮の予防に有効であり、再断裂率の増加もなく早期ADL・社会復帰をはじめ、早期スポーツ復帰も可能とするなど多くの利点を有します。

( Aoki M, et al. Am J Sports Med. 1998 )
( アキレス腱断裂診療ガイドライン.南江堂.2007 )
( Mortensen HM, et al. J Bone Joint Surg. 1999)

以前、アキレス腱の修復過程についてもお話ししましたが、逆に長期間の外固定は逆に腱修復を障害してしまうということがわかっています。

この早期運動療法が最近では保存療法でも用いられるようになっているのです。

具体的には、まず足関節最大底屈位(アキレス腱が一番緩む肢位)でMRIを撮影し、腱断端が寄っているようであれば外固定は行わないor短期間の外固定を行い、すぐにアキレス腱装具を装着させ、可動域訓練および荷重訓練を開始します。逆にMRIで腱断端が寄らない場合は、外固定期間を長く設定して治療します。

おそらく普通の病院ではすぐにアキレス腱装具は処方できないと思うので、アキレス腱装具が出来上がる時期を考えると腱が寄っている場合でも外固定期間は1~2週間ほどでしょうか。

また、実臨床ではMRIよりもエコーの方が簡便ですぐに検査ができるので有用かもしれません。エコーだと外来の度に気軽に施行できるので、腱が寄ってきているかどうか、修復されてきているということも経時的に確認できますね。

とにかく、近年になって保存療法に早期運動療法を併用した場合は、手術療法と同程度の再断裂率であることがいくつもの論文で証明されているのです。

おわりに

以上、今回はアキレス腱断裂に対する早期運動療法を併用した保存療法についてお話ししました。

本当は今日はアキレス腱断裂の治療法の話題をすべて紹介してしまうつもりでしたが、ちょっと長くなってきてしまったので残りは次回お話しします。

次回はアキレス腱断裂の治療に関する残りの最新のトピックに加え、結局保存療法と手術療法はどっちがいいの??ってことに関してお話ししようと思います。

 

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