オスグット病の治療|一般的な保存治療と手術・最新の治療を紹介!
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
サーバー移転が完了し、ページの見た目の修正も完了しました。まだおかしなところがありませいたら御一報く
ださい。また、今回の移転に伴い、サイトがかなり高速化しました。トップページでいうと以前表示に6秒くらいかかっていたのが、今では1.5秒です。さて、今日は以前の記事の続きで「オスグット病」についてです。
この年代では、スポーツ選手自身よりも指導者やメディカルスタッフが知識を持って指導を行うかどうかが、選手達の将来を左右することになるでしょう。
出会うことの多い疾患ですので、スポーツに関わる方はしっかりと理解しておきましょう。
今回はオスグット病の治療と予防についてまとめていきます。
Contents
オスグット病の治療
骨端症の治療
オスグットシュラッター病(Osgood-Schlatter disease:OSD)の治療を考えるときに、骨端症としての自然経過を十分に知ったうえで、治療を行う必要があります。
具体的には、湿布などの外用薬の投与や、スポーツ活動の制限、さらには装具やギプス治療、そして光線治療など疼痛緩和を目的とした対症療法が主体となります。
ただし、下肢においては前述のPerthes病、Blount病、Freiberg病の場合には、早期発見・早期治療が特に大切で、進行した症例では外科的手術を行うこともあります。
ほとんどの骨端症は、数ヶ月〜年単位の経過を示し、学校体育の休止、スポーツ制限や装具治療が長期にわたることがしばしばあります。
では、オスグット病の治療についてお話しします。
保存的治療
まずは、保存的治療についてです。
前述の通り、保存的治療がオスグット病の治療の基本となります。
・ウォーミングアップやクールダウンの徹底
・大腿部のストレッチ
・運動後のアイシング
・抗炎症薬の投与
・装具療法
など
そして、
脛骨粗面部に急性の炎症症状は、エコーを使用すると非常によくわかります。脛骨粗面部の周囲に異常血管が増多しており、いかにも痛そうな所見が観察されます。
また、局所のアイシングや消炎鎮痛剤の投与、最近では半導体レーザーによる光線療法を炎症の強い時期に用いることがあります。急性の炎症症状の軽減している時期には、疼痛の出現しない程度の運動のみを行わせ、もとのスポーツへの復帰についても考慮すべきです。
そして、
大腿四頭筋の過緊張に体するストレッチング、運動後のアイシングと整理体操の重要性を十分に指導することが大切です。
特に大腿四頭筋の過緊張やタイトネスはオスグット病の原因となり、これが改善されていないと、スポーツ復帰をしてもすぐに再発してしまう可能性があります。このため、リハビリテーションをしっかりと行い、再発しにくい体にしておくことも重要です。
オスグット病のリハビリテーションやストレッチ方法などについては次回紹介します。
装具療法としては、脛骨粗面直上を締めるストラップと、膝蓋骨上3cmより中枢にサポーターをつけます。これは、脛骨粗面にかかる大腿四頭筋の牽引力を分散させる意味で有効です。
外科的治療(手術)
保存的治療に抵抗性の場合は、外科的治療として手術を行う場合もあります。
しかし、ドリリング・骨釘移植などが行われてきましたが、安定した成績は得られていないのが現状です。
一般的に、脛骨粗面の骨化が終了すれば症状は消退しますが、
このような保存的治療に抵抗し、骨端線閉鎖後も遊離骨片を有し、症状の残存する症例に対しては遊離骨片の摘出術が行われます。遊離骨片により炎症が起こっている場合には、摘出術で症状が改善する可能性が高いです。
オスグット病の予後
最後に、オスグット病の予後に関してです。
早期に、スポーツ活動の休止や装具療法、およびストレッチなどを中心とした保存療法を施行することによって、変形を残さずに治癒できる場合もあります。
また、変形が残存しても、症状がなくスポーツ活動は可能な場合が多いとされています。
まとめ
以上、今回は発育期の男子に多いオスグット病の治療についてまとめてきました。
手術はオスグット病の後遺症としての遊離骨片の摘出以外は安定した成績が得られおらず、オスグット病の治療としては、やはり基本的に保存的治療が中心となります。
また、紹介したような新しい治療が広まって、より早くオスグット病が治療できるようになることを期待します。
そして、どうような治療を行うにしても、
大腿部のストレッチや運動前後のケアに関しては治療だけでなく、再発予防という観点からも重要ですのでしっかりと指導するようにしましょう。
次回は、保存的治療にも関連するオスグット病のリハビリテーションについて紹介します。正しいストレッチの方法などを解説する予定なのでお楽しみに。
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