骨盤のレントゲン撮影|インレット撮影とアウトレット撮影とは
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
今日は骨盤骨折シリーズです。
骨盤のレントゲン撮影では骨盤正面像は必ず撮るかと思いますが、その他に知っておくべきインレット撮影・アウトレット撮影についてお話しします。
多発外傷患者さんの治療初期における骨盤正面像の撮影は必須であり、救急での治療方針の決定にはこれが最も重要です。
90%の症例で信頼できる診断が得られるとされています。
しかし、骨折の詳細な分類をするためには、さらに骨盤インレット撮影と骨盤アウトレット撮影を行い、前後・頭尾側方向と回旋方向の転位の評価を行います。
救急外来では、全身状態が安定していればCT検査を施工するため、これらの撮影は必ずしも必須ではありませんが、保存的に治療していくにせよ、手術加療を行うにせよ、継時的なフォローのためにはこれらの撮影を定期的に見ていく必要があります。
骨盤手術の術中にも骨盤インレット撮影・骨盤アウトレット撮影でスクリューやプレートの当たり具合の評価する必要があるためこれらの撮影方法も知っておいた方がいいでしょう。
よせやん
Contents
骨盤インレット撮影
まずは、骨盤インレット撮影(inlet view) についてです。
骨盤インレット撮影は患者さんを仰臥位としたまま撮影し、X線管球を撮影台に対して45度傾けて頭側から撮影します(下図a)。
インレットとは入口という意味であり、骨盤インレット撮影では骨盤輪が描写されます(下図b)。
そのため、この撮影条件は骨盤後方部分の前後方向への転位を評価するために用います。
骨盤アウトレット撮影
次に、骨盤アウトレット撮影(outlet view) についてです。
骨盤アウトレット撮影は患者さんを仰臥位としたまま撮影し、X線管球を撮影台に対して45度傾けて尾側から撮影します(下図c)。
アウトレットとは出口という意味であり、骨盤アウトレット撮影では仙骨・恥骨枝・閉鎖孔が描写されます(下図d)。
そのため、この撮影条件では骨盤後方部分の上下方向への転位を評価するために用います。
おわり
以上、今回は骨盤インレット撮影と骨盤アウトレット撮影についてまとめました。
多発外傷患者さんの治療初期における骨盤正面像の撮影は必須であり、救急での治療方針の決定にはこれが最も重要ですが、骨折の詳細な分類はさらに骨盤インレット撮影と骨盤アウトレット撮影を行い、前後・頭尾側方向と回旋方向の転位の評価を行うようにしましょう。
それにより、継時的に画像での評価を行うことができるし、手術の際にもこれらの撮影方法を知っておくことは役に立ちます。
よせやん
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