プロフェッショナルなチームトレーナーのあり方とは?!
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
先週末はJFLのマッチドクターの仕事に行っていました。
そのときに、チームトレーナーのあり方について考えたことがありましたので、今日はスポーツドクターとしてプロフェッショナルなチームトレーナーのあり方について意見を書いてみようと思います。
このブログの読者には、チームトレーナーとして仕事をされているアスレチックトレーナーや理学療法士の先生、接骨院や整体で開業されている先生方も多いと思います。
その中にはこの記事を不快に思われる先生がいらっしゃるかもしれませんが、いちスポーツドクターの意見として耳を傾けて頂けましたら幸いです。
Contents
チームトレーナーとは
そもそも、チームトレーナーとはどんなことをやっているのか知っていないと話が始まりませんので、チームトレーナーについて紹介しておきます。
一般的に、プロやある程度のレベルのチームトレーナーはアスレチックトレーナーの方がやっていることが多いです。
つまり、
チームトレーナーとは、スポーツにおける高度な知識と技能を備え、スポーツドクターおよびコーチと緊密な協力のもとに、競技者の競技活動を支えるスタッフなのです。
もっと詳しくは下の記事でまとめています。
スポーツドクターとして接したチームトレーナー
まず、僕がスポーツドクターとして接したチームトレーナーについて紹介したいと思います。
スポーツドクターはチームトレーナーに関わることが多いです。
特にチームドクターをしている場合は、チームトレーナーとの関わりは非常に多いのが普通でしょう。
パターン1
こちらは以前サポートしていたチームのトレーナーさんです。
こちらのチームのトレーナーはアスレチックトレーナーの方で、チームと契約して専属で仕事をされていました。
このトレーナーの方と接することで僕はアスレチックトレーナーの先生の凄さと重要性を知ったと言っても過言ではありません。
選手が練習や試合で怪我をした場合には、まずその場にいるトレーナーが診察し、その怪我の重症度を判別してくれます。
重症と判断した場合や何か違和感があった場合には、すぐにチームドクターである僕たちに連絡をくれて、診察のために選手を連れて来院してくれるのです。
そして、僕たちドクターが診断した後に復帰までのプログラムについて相談し、この時期はこういうトレーニングを、この時期からはここまでやっていいですよということをお伝えすると、その通りに選手のリハビリテーションを行なってくれます。
パターン2
こちらは、今サポートしているチームのトレーナーさんです。
この方は接骨院の先生で、アスレチックトレーナーの資格は持っていません。
接骨院で仕事をしながら空いた時間でチームのサポートをしてくださっているわけですね。
選手が怪我をした場合、当然、選手はチームトレーナーであるこの先生に相談します。
しかし、この先生は全部自分で診察から加療まで行うスタイルのようです。
僕のところに相談が来ることは一度もありません。
先月、初めてチームの監督から僕のところに選手を診て欲しいと連絡があり、診察したことがありました。
その選手は怪我をしてからその接骨院で加療を受けていましたが、復帰しては再発を繰り返して長いこと思いっきりサッカーができていない状態でした。
詳細は書けませんが、骨腱付着部の障害であり、対症を行いながらストレッチングなどをきちんと指導し、実行してもらえばそんなに長期離脱しなければいけないような状態ではありませんでした。
プロフェッショナルなチームトレーナーのあり方とは
というわけで、今回の本題で僕が思うプロフェッショナルなチームトレーナーのあり方について書かせてもらいます。
チームにとって、またそのチームに所属するスポーツ選手にとって、チームトレーナーは極めて重要です。
そのチームの選手と医療面において最も密に関わるのがチームトレーナーなのです。
チームドクターは基本的に病院に勤務している場合が多いので、基本的には試合のときや病院に選手が来た場合にしか選手と接することができません。
ですので、怪我を含めた選手のコンディションをより詳細に、そしてリアルタイムに把握しているのはチームトレーナーであり、だからこそチームドクターとチームトレーナーの連携がとても大切になってきます。
そのためには、的確に診断し、的確に治療を行い、計画的にリハビリテーションを行なっていくことが肝要です。
これらのことを実行するためには、チームドクターとチームトレーナーの連携が不可欠なのです。
選手が怪我をしたときに最初に診るのは現場にいるトレーナーの場合が多いです。
当然、そこでの初期対応は重要です。
初期対応がしっかりしていれば、患部の腫脹も抑えることができますし、結果としてただの筋挫傷などでもより早期のスポーツ復帰が可能となります。
そして、明らかに軽度の外傷であればいいですが、重症と判断した場合や何か違和感があった場合には、やはりスポーツドクターに相談して欲しいなと思うのです。
普段からレントゲン、CT、MRIなどの画像を使わずに、理学所見だけで診察・診断している接骨院の先生方は実際すごいと思います。
しかし、やはり画像なしで診断するのには限界があるのもまた事実だと思います。
ただの捻挫と思っていても、レントゲンを撮ると裂離骨折が見つかったり、ただの軽い筋損傷と思っていても肉離れになってしまっている場合は少なからずあります。
そんな場合に、的確な診断をせずに数日の患部安静で復帰させてしまうと、痛みでまともにプレーできなかったり、再発したり、クセになってしまうのは当たり前です。
相手がアスリートであるからこそ、少し検査が過剰だったとしても、的確な診断をすることが1番大切だと思うのです。
きちんとした診断がされずに、焦って復帰して再発を繰り返してしまう方が、実はより復帰までに時間を要してしまうことが多いのです。
トレーナーの方の診察能力が低いと言っているわけでは全くありません。
しかし、スポーツ選手のことを本当に考えるのであれば、万が一に備えて、念のためにチームドクターに相談した方がいいのではないかと思うのです。
もちろん、ドクターに相談して画像検査をしても何もない場合も多々あるでしょう。
しかし、何もないことがわかれば安心してスポーツ復帰させることができます。
それだけでもメリットは少なからずあるはずです。
さらに、スポーツ復帰に向けてしっかりとしたリハビリテーションを行い、再発予防まで指導できれば言うことなしですよね。
今回言いたかったことのまとめ
長くなってしまいそうなのでまとめます。
プロフェッショナルなチームトレーナーとは、
- スポーツ外傷やトレーニングについてしっかりとした知識を持っており、選手が怪我をした際には適切な初期対応、そして、必要に応じてチームドクターにきちんと相談できる。
- ドクターと相談して、スポーツ復帰に向けてリハビリテーションをプログラムし、選手のコンディションを見ながら微調整を行い、必要に応じて再発予防のトレーニングも指導できる。
そんなトレーナーだと思います。
僕が知っているアスレチックトレーナーの先生は皆、そういったことができる人ばかりです。
ですから、アスレチックトレーナーという資格は、スポーツ選手をサポートするプロフェッショナルな資格なのだと思います。
もちろんアスレティックトレーナーもピンキリではあるのでしょうが、少なくともスポーツ医学についての知識・技能を持っている1つの目安になることは間違いないでしょう。
ドクターはいつでも現場にいれるわけではないことが多いので、現場にいて選手にとって1番身近な存在であるチームトレーナーの方に頼らざるを得ない場面は非常に多いです。
スポーツ選手をサポートするためにも、ドクターとトレーナーの連携をより高めることが肝要ではないでしょうか。
よせやん
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