テニスレッグ(腓腹筋)などのハムストリング以外の肉離れの治療・復帰
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
今日は朝から関連病院での外来バイトをし、午後からは手術勉強をさせて頂いていましたが、足趾のピンニングの難しさを知った1日でした。
外反母趾のときなどに末節骨から中足骨までピンを刺入するのは、そんなに難しいと思わないのですが、基節骨斜骨折に対するピンニングがこんなに難しいとは…。
外傷の手術の技術ももっと磨いていかないとダメですね。
そのためにも早く大学病院から脱出しなければ…。
さて、今日はハムストリング以外の肉離れに関して考えてみましょう。
肉離れ診療において覚えておくべき「奥脇の分類」は、肉離れの発生部位として最多であるハムストリングの肉離れに対する分類であることを説明したかと思います。
では、ハムストリング以外の筋肉の場合はどうなのでしょうか。
この記事では、ハムストリング以外の筋肉(殿筋・大腿直筋・中間広筋・ヒラメ筋・恥骨筋・閉鎖筋・腓腹筋)における肉離れに対する「奥脇の分類」の適用つまり治療方針とスポーツ復帰の目安について紹介していきます。
仕事で忙しくて時間がないので、さらっとまとめてしまいます。
今日の話を理解して頂くうえで、下の記事で話した内容が非常に大切になってきますので、内容をうる覚えの方は先にそちらを確認してください。
Contents
肉離れの損傷部位
まず、そもそも肉離れの損傷部位としてどこが多いのか復習しておきましょう。
肉離れは下肢筋に圧倒的に多く、下肢筋の損傷は全肉離れの96%を占めるとされています。
1239例(男性894例、女性345例)、男性は平均年齢23.7±9.9歳、女性は平均年齢21.2±9.3歳におけるデータでは、
- ハムストリング 512例
- 大腿四頭筋 267例
- 下腿三頭筋 283例
- 内転筋 105例
- その他の筋(殿筋・前脛骨筋・腓骨筋)22例
( 武田寧,内山英司.MB Orthop. 2010 )
となっており、ハムストリング・大腿四頭筋・下腿三頭筋・内転筋の4部位で下肢筋全体の98.7%を占めることになります。
この中のハムストリングの肉離れについては、今までかなりしっかりとまとめてきましたので、今回はハムストリング以外の肉離れについて考えていきましょう。
実はハムストリング以外の肉離れにおいても、奥脇の分類に照らし合わせて治療方針やスポーツ復帰時期の目安を知ることができます。
よせやん
筋肉ごとに考え方が異なるので、今日しっかりと覚えてしまいましょう。
臀筋・大腿直筋・中間広筋・ヒラメ筋・恥骨筋・閉鎖筋の場合
では、まず殿筋・大腿直筋・中間広筋・ヒラメ筋・恥骨筋・閉鎖筋の場合です。
これらの筋肉における肉離れは、基本的にハムストリングのⅠ型損傷と同様に扱うことができます。
よせやん
すなわち2週間以内の復帰を目指すことができます。
ただし、必ずストレッチ痛・圧痛・抵抗運動痛の消失などを確認してから、スポーツ復帰するようにしましょう。
腓腹筋の場合
次に、腓腹筋の場合です。
これは、いわゆる「テニスレッグ」と言われるものですね。
名前の通り、テニスプレー中に起こることが多いためこう呼ばれます。
腓腹筋に遠心性収縮が生じた場合に起こるわけですので、もちろんテニス以外でも、走る・跳ぶ・跳ねる・ステップするなどの瞬発的な動作の際に起こりえます。
腓腹筋だけ上記の筋肉と分けていることから予想できるかと思いますが、
なぜならば、
テニスレッグはハムストリングのⅡ型損傷に相当することが多いとされているからです。
よせやん
当然、治療もハムストリングのⅡ型損傷と同様に考えて行っていく必要があります。
つまり、定期的にMRIで筋腱移行部の修復の程度を把握しながらリハビリテーションを進めていかなければなりません。
ハムストリングのⅡ型損傷の治療法を覚えていない方は下の記事から確認してみてください。
おわりに
以上、今回はハムストリング以外の筋肉(殿筋・大腿直筋・中間広筋・ヒラメ筋・恥骨筋・閉鎖筋・腓腹筋)における肉離れに対する「奥脇の分類」の適用つまり治療方針とスポーツ復帰の目安について紹介しました。
特に、腓腹筋の肉離れであるテニスレッグの場合には、注意を要することを覚えておきましょう。
よせやん
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