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脳震盪に対する現場での対処|まずは適切に評価することが大切!

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

今日も関連病院で膝関節鏡手術を2例やらせてもらったのですが、うーん、やはり難しいですね。胡坐位で外側の処置を行うときに、内側ポータルから鏡視しようとしたのですが、カメラを目的の場所に到達させるのにも時間がかかってしまいました。引き続き、早くできるようになれるように頑張ります!!

今日はスポーツ頭部外傷シリーズをやっていきたいと思います。

ここまでは脳震盪に関して、そして、脳震盪を軽視してはいけない理由を勉強してきました。では、実際のスポーツ現場でスポーツ頭部外傷を受傷した選手に対してどう評価して、どう対応すればいいのでしょうか。

ということで、今日は脳震盪が疑われる選手に対する現場での対処として評価とそのための評価ツールについて紹介します。

Contents

脳震盪の評価ツール

国際オリンピック連盟は国際サッカー連盟、国際アイスホッケー連盟、国際ラブビー評議会などとともに、数年ごとに「国際スポーツ脳震盪会議」を開催し、決議事項などを発表しています。

現時点で最新のものは2012年にチューリヒで行われた第4回会議で、その共同声明はウェブ上でも閲覧できます。
外部リンク:Consensus statement on concussion in sport

スポーツによる脳震盪/頭部外傷の評価・対処法としては、声明とともに発表されるSCAT(Sports Conccusion Assesment Tool)が最も一般的です。

SCAT3

SCAT3

現在、最新のものはSCAT5です(2018/6/22現在)。

外部リンク:SCAT5(英語)をダウンロード

ですが、日本語に翻訳されているものはまだSCAT3が最新ですので、SCAT3日本語訳のリンクも載せておきます。

外部リンク:SCAT3(日本語)をダウンロード

これは選手が脳震盪を受傷していないかどうかを評価するための標準化したツールであり、医療従事者が使用するためのものです。

13歳以上の選手を対象としています。

チャイルドSCAT3

12歳以下の選手に対してはチャイルドSCAT3を使用してください。

外部リンク:チャイルドSCAT3をダウンロード

こちらも医療従事者が使用するためのものです。

ポケットSCAT2

また、チームドクターとしてチームに帯同したり、マッチードクターとして試合会場に行く際にはポケットサイズのポケットSCAT2がとても便利です。

外部リンク:ポケットSCAT2をダウンロード

SCAT3はSCAT2よりも内容が煩雑となっており、こちらの方が使い勝手はいいです。僕もマッチドクターとして試合会場に行く際には持っていっています。

ただし、後で述べますが、SCAT2とSCAT3の相違点は理解しておくべきであると思います。

ポケット脳震盪認識ツール

医療従事者でない方ポケット脳震盪認識ツールを使用してください。

外部リンク:ポケット脳震盪認識ツールをダウンロード

こちらは内容はかなり簡略化されており、非常に使い勝手がいいです。ポケットSCAT2との相違点は、身体診察に関する項目が含まれていないという点です。

小児〜成人に対して使用することができます。メディカルスタッフの方は所持しておくべきだと思います。

頭部外傷10か条の提言

また、診断ツールではありませんが、スポーツに関わるコーチや選手、家族の助けになることを目的に、今年、日本臨床スポーツ医学会が作成した頭部外傷10か条の提言というものがあります。

外部リンク:頭部外傷10か条の提言をダウンロード

10か条

専門的な知識を持たない方でも読みやすいように平易な表現で、頭部外傷に関する現場での判断・対応の仕方などが書かれています。

メディカルスタッフではない、監督・コーチ・選手・その家族の方はこちらを読んで、頭部外傷に関してぜひ学んでみてください。

このサイトで書いてあることは専門的なことが多いため、医療関係者以外の方にはこちらを読む方が理解しやすくてよいかと思います。

また、上記外部リンクより自由にダウンロードすることが可能ですので、ぜひチーム内で配布し、チーム全体で知識を共有して頂けるとありがたいです。

スポーツ現場での脳震盪の評価

では、スポーツ現場での脳震盪の評価方法を確認しておきましょう。SCAT3、ポケットSCAT2の内容を参考にして、重要そうな部分のみをピックアップして、スポーツ現場での対応をまとめます。

まず選手の意識状態を確認する。

意識状態は図1のグラスゴー・コーマ・スケール(GCS)で評価します。

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図1:Glasgow Coma Scale(SCAT3より引用)

選手の意識があれば、次に症状を評価する。

SCATに記載されている症状の項目をどれかひとつでも認めた場合は脳震盪を疑います

記憶力の評価をする。

記憶力は図2のマドックス・スコアで評価します。

5つの質問のすべてに正しく答えられない場合は脳震盪を疑います

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図2:マドックス・スコア(SCAT3より引用)

バランステストを行う。

SCAT3では修正BESS(Balance Error Scoring System)テスト、つぎ足歩行テストで評価するように書かれています。詳しくはSCAT3で確認してください。

ポケットSCAT2には直列立ちでの評価が記載されています。

直列立ち評価

利き足ではない方の足を後ろにして、そのつま先と反対側の足のかかとを接して一直線上に並べて立ってもらい、手を腰に当てたまま目を閉じて、20秒間その姿勢を保ってもらいます。  

もし6個以上のエラー(手が腰から離れる、目を開ける、つま先とかかとが離れる、歩く、よろめく、転ぶ、5秒間以上開始の位置から離れたままになる、など)を認めた場合は脳震盪を疑います

おわりに

以上、今回は脳震盪が疑われる選手に対する現場での対処として評価とそのための評価ツールについてまとめました。

では、実際に脳震盪が疑われる頭部外傷を受傷した選手にどうやって対応したらいいのでしょうか。

下の記事で脳震盪を始めとするスポーツ頭部外傷への対応を確認しましょう。

 

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