アスリートと栄養|栄養素別にどんな食事が必要なのか知ろう!

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
昨日は小児科の忘年会に3次会まで参加していたので、お疲れモードです。しかし、明日は整形外科の忘年会で、出し物もやらなくてはいけないので同期と居残り練習してました。
さて、前回はスポーツ栄養の総論をお話ししました。
前回の記事はこちらからどうぞ。
今回は代表的な栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)別に栄養素についてまとめていきたいと思います。
普段、わたしたちは食品を組み合わせ、料理したものを摂取しているため、単なる栄養素の組み合わせだけを考えることは不可能です。
しかし、各栄要素がそれぞれ1日にどれくらい必要で、どのような食事から摂取することができるのか知っておくことが大切です。
今回も、主に前回の論文を参考にして書いていきます。
Contents
炭水化物
まずは炭水化物に関してです。
スポーツにおいては、種目にかかわらず、エネルギー源となるグリコーゲンをできるだけ多く体内に蓄えておくことが重要になります。筋グリコーゲン、肝グリコーゲンともに貯蔵できる量には限りがあり、枯渇しないように炭水化物の摂取は必須となります。
ことが報告されています。
これを目安にすると、体重60kgの場合は炭水化物が1日に300〜420g必要ということになり、米飯にすると800〜1,300g(およそ2〜3合)となります。
さらに、中強度以上の運動を1〜3時間するような場合には、体重1kgあたり6〜10gの炭水化物が必要であるので、スポーツを定期的に行う場合には、1食1合は必要という計算になります。
エネルギーの充足のためにも、米飯やパン、麺類などの主食の量が十分かどうかは確認する必要があります。
また、炭水化物はグリコーゲンとなるだけではなく、その消化・吸収の速さから、試合前や運動前の効果的な摂取が最も必要な栄養素です。
試合前、長時間の運動の前は、炭水化物をメインにするのが一般的です。
たんぱく質
次にたんぱく質についてです。
筋たんぱく質の合成を行う上で、適切なたんぱく質の摂取は必須です。
その摂取量に関しては、IOCのガイドラインでは体重1kgあたり1.2〜1.6g/日と設定されています。通常の身体活動量であれば、1g/体重kg/日程度が目安となるので、極端に多い摂取が必要でないことがわかります。
体重60kgの人は1日あたり72〜96gのたんぱく質を摂らなくてはなりませんが、肉や魚だけではなく、米飯やパンなどの炭水化物源といわれる食品にもたんぱく質が含まれるため、プロテインサプリメントを使用しなくても、基本的には食事から摂取することが十分可能であり、通常の食生活で充足することが可能です。
また、たんぱく質の摂取量に比例して筋量が増加するわけではありません。継続的なたんぱく質の過剰摂取は、単なるエネルギー過剰となり、体脂肪の増加にもつながることは覚えておく必要があります。
ですので、プロテインサプリメントを使用する場合は、通常の食事からどの程度たんぱく質を摂取しており、どれくらい必要なのかを計算して使うようにすべきです。
参考:主なたんぱく質源となる食品
- 卵1個
- 牛乳300ml
- チーズ30g
- ヨーグルト300g
- 魚・肉類35〜50g
- 豆腐120g
- パン100g(8枚切り2切れ)
- パスタ・乾麺80g
- 米飯400g(大盛り2杯)
脂質
最後に脂質についてです。
通常、減量におけるエネルギー制限を行ったりしないのであれば、脂質の厳密な制限は必要ない
といわれています。
ただし、たんぱく質の多い肉類・魚類・卵・大豆製品などはいずれも、たんぱく質と同時に脂質を含みます。
揚げ物などの油を多く使う料理が続くことで、エネルギー過剰になりやすいので、その点は注意する必要があります。おわりに
以上、今回は代表的な栄養素(炭水化物・たんぱく質・脂質)別にまとめました。
普段、わたしたちは食品を組み合わせ、料理したものを摂取しているため、単なる栄養素の組み合わせだけを考えることは不可能です。
また、実際のスポーツ現場で応用する場合には、普段の食事の量や内容に加えて、摂取のタイミングについて調整したり、季節・トレーニング内容・試合前などの場面に応じてさまざまな栄養戦略を考える必要があります。そのような場合には、管理栄養士などの専門職に頼ることもひとつの手段です。
以上、2回にわたりアスリートと栄養に関してまとめてみました。
なかなか、普段の生活から食事の内容を細かく管理することはプロフェッショナルでないと難しいとは思いますが、このような知識を頭の片隅に置いておくことは非常に大切であると思います。
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