救急搬送された患者さんの頚椎カラーなど頚椎固定の解除基準

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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

先週末は比較的ゆっくりと過ごし、ケータイを替えたり、今までの契約を見直したりと色々としていました。特に土曜日は夜11時くらいに就寝し、久しぶりに12時間くらい寝てしまいました。

いつもなら、こんなに寝たらやってしまったと激しく後悔するでしょうが、寝不足で疲れもたまっていたため、非常にいい休養日になりました。今日から心機一転また頑張ります。

さて、救急外来で外傷患者さんの対応をするわけですが、外傷患者さんを最初に診る研修医の先生がきちんとした対応の仕方をわかっていないなぁと最近思うことが多いので、自分の復習も兼ねて外傷の対応についてもまとめていこうと思います。

僕は基本的にJATEC(Japan Advanced Trauma Evaluation and Care)の診療ガイドラインに準じて治療を行っていますし、現在日本で行われている救急治療は基本的にJATECに準じて行われていると思われます。

救急外傷とJATEC|整形外科医になる前に勉強しておくべきこと

2015.12.06

この記事の内容も、JATECに準じてまとめていきます。

今回は、救急搬送後の頚椎カラーなどの頚椎固定の解除基準についてお話ししましょう。

外傷で救急搬送されてきた患者さんは頚椎カラーを装着されていることが多いかと思いますが、あなたはその固定をどのタイミングで外しているでしょうか。

意外に明確な基準もなく、なんとなくで固定を外してしまっていませんか?また、外すときはどのように外していますか?

今日は頚椎固定を解除するタイミングおよび頚椎カラーの外し方について解説します。

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脊椎の保護

外傷患者の初期診療では、すべての患者は脊椎・脊髄損傷の存在を念頭において対応されるべきです。

神経学的徴候に明らかな異常がないからといって、脊椎・脊髄損傷は否定し得ないことを認識しておく必要があり、診断が確定するまでは脊椎・脊髄に無理な負荷や外力を加えて潜在する損傷を悪化させないようにする心がける必要があるのです。

脊椎・脊髄の保護・固定は受傷現場から初期診療に至るまで継続して行われます。

救急隊による一般的な脊椎・脊髄保護の方法

  • 脊椎ボード(バックボード)の使用
  • 硬性頚椎カラーの使用
  • 頭部固定具(ヘッドブロック)で両側側頭部を固定しストラップで頭部を固定

ですので、病院の救急外来に外傷の患者さんが救急搬送されてきた場合は、脊椎を上の図のように固定されている場合が多いと思います。

では、こうやって搬送されてきた患者さんの固定はどの段階で外していますか?
きちんと自分で固定解除のプロトコルを持っていますか?

本日は、特に頚椎固定の解除基準についてまとめていこうと思います。

頚椎固定の解除基準

では、頚椎・頚髓損傷を除外し頚椎カラーの除去を行う場合の手順を説明します。

さっそくですが、下の図を見てください。


図:頚椎固定解除の基準

以下、詳しく説明していきますが、

とにかくこの図を覚えてもらうのが一番よいと思います。

正確な所見がとれるか否か

頚椎カラーを除去するためには、まず正確な自覚所見、他覚所見、神経学的所見を診察します。

下の図1のような場合には正確な所見がとれない可能性があります。

図1:正確な所見が取れない場合

  • 意識障害(頭部外傷など)
  • アルコール、薬物(睡眠薬、鎮痛薬など)
  • 注意をそらすような他部位の激痛を伴う外傷
  • その他:高齢者、乳幼児、精神疾患など

正確な所見がとれる場合

頚椎・頚髄損傷を疑わせる自覚所見、他覚所見、神経学的所見、または受傷機転のいずれか1つがあれば、CT検査またはX線単純検査を行います。

画像診断で異常がない場合や、危篤な受傷機転がない場合は、以下の手順で頚椎カラーを除去します。

頚椎カラーの外し方

頚椎カラーの外し方

  • まず患者さんに能動的に頚椎を左右45度ゆっくり動かしてもらいます。
  1. 痛みがあれば中止して頚椎カラーを再装着します。
  2. 痛みがなければ、次に可能であれば座位で前後屈をしてもらいます。
  • 本人が首を動かしても痛みがなければ頚椎カラーを除去します。

正確な所見がとれない場合

意識障害などにより正確な所見がとれない場合は、頚椎CTまたは頚椎X線を撮影し、頚椎カラーを継続します。

CT検査だけでは靭帯損傷を否定できないため、頚椎カラーは除去できません。

頚椎カラー除去のタイミングは、専門医の判断に委ねます。

意識障害の靭帯損傷の有無の判定において、どの方法(MRI、機能撮影)が有効かについては未だ議論の余地があります。

意識が回復するまで頚椎固定の継続

正確な所見がとれない場合、頚椎固定を継続させ、意識が回復した時点で、神経学的所見を十分に観察し頚椎固定を解除することができます。

しかし、48時間以上経過しても正確な所見がとれない場合は、頚椎固定の解除は専門医に委ねます。

ただし、カラーによる固定が長期にわたる場合は、固定具による褥瘡に注意する必要があります。

おわりに

以上、今回は救急搬送後の頚椎カラーなどの頚椎固定の解除基準についてお話ししました。

頚椎固定を解除するタイミングおよび頚椎カラーの外し方について理解して頂けたでしょうか。

これで、今日から自信を持って救急搬送されてきた患者さんの頚椎カラーを外すことができますね。

次回は、今回の記事と関連して、意識障害患者における頚椎固定解除の問題点についてお話しする予定です。

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