スポーツにおける暑熱対策|熱中症の分類と予防・対策とは

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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

最近、Twitterでフォローしてくださる方も出てきてうれしい限りです。今日は読者の方からメールを頂きました。これで読者の方から頂いたメールは3通目になります。

同じような夢に向かっている方の話を聞くと、自分ももっともっと頑張らなきゃいけないなと思うことができますね。今後もそういう方の参考になる情報を発信していけたらと思います。

さて、今日は時期的にはちょっと合っていないかもしれませんが、「スポーツにおける暑熱対策」について勉強してみました。

この記事では、まず熱中症の分類・予防と対策などの基本的なことに関してまとめます。

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はじめに

人間の身体の大部分は“水”で構成されています。

体内の水は、血中に存在したり、細胞中の水であったり、身体のいろいろなところに分布しています。

この“水”は人間の生存にとって不可欠な成分であり、栄養を身体の末端まで運搬し、老廃物を末端から集めて体外に排出する役割を担っています。

体内から水分が喪失すると、いろいろな症状が生じてきます。

水分喪失による症状

体内の水分が減ってくると以下のような症状が出てきます。

水分の喪失量とそれによる症状

  • 2%:強い口渇感
  • 3%:血液の濃縮
  • 4%:運動抑制
  • 5%:水を飲まないと耐えられない

体重60kgの人では、体重の2%(1.2L)の水分を喪失すると、強い口渇感が出現します。これが3%(1.8L)の水分になると、身体を巡っている血液の水分量が減少し、流れが悪くなってきます。

そして、体重の4%(2.4L)になると、動くのにも支障をきたすようになり、体重の5%(3.0L)以上になると、点滴などによる速やかな水分補給なしには、命さえも危うくなってします。

成人の場合では、特に何もしなくても不汗蒸拙により、1日約1Lの水分が汗をかかなくとも出ていってしまいます。運動をすると、その強度や時間に応じて水分が汗として失われていきます。

したがって、運動を続けていくためには、これらの失った水分を補う必要があります。

高温環境の場合には、これら以上の水分量が失われるので、水分補給が不可欠になるわけです。

さらに、気候や環境が高温・多湿なところにいた場合、水分と電解質(NaCl)の喪失が生じ、人間の体はいわゆる「熱中症」へと向かうことになります。

熱中症の分類

熱中症は、その程度によって、以下の3つに分類されます。

熱中症の分類

  • 熱痙攣
  • 熱疲労
  • 熱射病

では、これらについて順番に見ていきましょう。

熱痙攣

熱痙攣は、気温の高いところで運動を行い、水分は補給していたものの、塩分(NaCl)を補給しなかった場合に生じます。

正しい筋の収縮・弛緩にはNaClが必要ですが、これに必要なNaClが不足するため、収縮した筋が弛緩できなくなる“痙攣”の状態になることから、熱痙攣と呼ばれます。

ですので、熱痙攣が起こった場合には水分だけでなく、塩分(NaCl)の補給が必要になります。

熱疲労

熱疲労は、暑熱環境下で運動をしていて多量の発汗を認めた場合に、水分補給が十分ではなく、循環血液量が減少したために起こる状態です。血圧の低下が起こり、脈が浅く速くなり、顔面蒼白、めまい、吐き気などの症状が生じます。

熱射病との違いは、熱疲労の場合には体温の上昇がないことです。

熱疲労が起きた場合には冷所あるいは風通しのよい日陰に移動させ、水分と塩分の補給をする必要があります。

熱射病

熱射病は、発汗機能が低下し、体温が上昇し続けた状態で、意識障害と同時に体温が40℃以上まで異常上昇します。

筋組織をはじめとする体内の重要臓器に異常をきたし、緊急に冷却療法を行う必要がある生命の危機に直結する極めて危険な状態です。

脳の体温調節機能が働いていないため、体温が異常に高いにも関わらず、発汗がなく皮膚が乾燥しているいるのが熱疲労との大きな違いです。

熱中症の予防

では、熱中症を予防するためにはどうしたらよいのでしょうか。

まずは、運動する環境の状態を把握し、運動前に十分な食事と水分を摂取する必要があります。水分は一度に多くは取れないので、練習開始の1〜2時間くらい前から少しずつ水分を補給します。

また可能ならば、運動の前・後に体重を測定することも大切です。

運動中は15〜30分おきに水分を補給し、運動後にも体重を測定して、体重の減少量をチェックします。体重の減少量が2kg以上(体重60kgの場合)あった場合は、運動中の水分補給が足りなかったということになります。足りなかった場合は、これを次回の水分補給の参考にしましょう。

さらに、運動を行う前に以下のことを確認しておくとよいでしょう。

  • 睡眠不足はないか
  • 疲労が蓄積していないか
  • 発熱(37度以上)がないか
  • 下痢を起こしていないか

その日の体調を観察して、上記の症状がある場合には十分に注意する、もしくは運動を休ませるくらいの注意が必要です。

熱中症の治療

分類のところで触れましたが、もう一度、治療に関してまとめます。

熱中症の治療

  • 熱痙攣の場合は、十分な塩分(NaCl)の補給をアイソトニック飲料(血液や体液とほぼ等しい浸透圧=等張性のもの)などで行います。
  • 熱疲労の場合は、冷所で安静にして、アイソトニック飲料などで水分を補給します。
  • 熱射病の場合には、身体全体を冷やしながら、できるだけ早く医療機関で治療を受けるように対応する必要があります。

今回の参考図書

おわりに

以上、今回はスポーツにおける暑熱対策として熱中症の分類・予防と対策などの基本的なことに関してまとめました。

次回、おもしろいなぁと思った熱中症の文献的考察をしてみます。

「熱中症」の疫学・リスク因子

2016.01.26
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