「三角骨障害」後足部の有名な副骨障害の1つ

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どうも、こんにちは。

久しぶりに仕事の後、だらだらしてたので更新遅れました。
今日の午前中は関連病院で外来をして、午後からはいつも手術を勉強させてもらってる病院で足の手術に入ってました。
今日は足関節外側靭帯の再建術に2例入りましたが、やっぱり足って面白いなと思ってしまいます。
この間、足の外科の昨日解剖セミナーに参加したこともあって、よりいっそうそう感じるようになりましたね。

関連記事:とても勉強になった足の外科学会「第6回機能解剖セミナー」

そして、今日の午前中は上述の通り、関連病院で外来をしていたのですが、他の病院で外来をされている先生からの紹介患者さんがいました。
その患者さんは足関節外側靭帯損傷という診断で紹介されてきましたが、診察をしてみるとすごい違和感。
確かに踵腓靭帯に軽度の圧痛は認めますが、これが歩けないような症状を呈する原因としては考えにくい気がするなと。
後足部外側に圧痛が著明であり、内反ストレスよりも底屈位で疼痛が増強しました。
という訳で後足部に注意してレントゲンを見てみると三角骨を認めました。
三角骨の部位の圧痛を確かめてみると、画像とぴたりと一致するので、おそらく外傷が契機の三角骨障害なんだろなと思いながら、そこには触れず紹介状の返信を無難に書いておきました。

足の外科の歴史はまだ浅いため、足の外科の領域が一番疾患が見逃されることが多い分野である可能性があるなぁとか思います。
僕もまだまだ知識不足なので、しっかり勉強していきたいですね。
というわけで、足の外科領域の勉強を進めていきましょう。
今日はこの「三角骨障害」についてまとめます。

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三角骨とは

三角骨とは、副骨の1つで、距骨の後方突起のひとつである外側結節が分離・独立したものとされています(図1)。
三角骨は、1864年にGruberが“Talus secondarius”として初めて報告しました。
小児期に距骨の後方に小さな骨(ossicle:骨核もしくは二次骨化中心ともいう)が出現し、本来であれば距骨本態と癒合し、外側結節になると考えられます。
McDougallはossicleが出現してから、10ヶ月ほどで距骨本体と癒合すると報告しています。
( McDougall A. J Bone Joint Br. 1955 )
山県は、日本人における360足の三角骨の検討では、男性は右側、女性は左側に出現率が高いと報告しています。
( 山県達一.東京慈恵医科大学解剖学教室業績集.1952 )
ちなみに冒頭の患者さんは男性で右足でした。

三角骨障害 レントゲン
図1:三角骨のレントゲン写真

骨癒合は成長の一環であるため、特に14歳以下の場合においては、距骨後方に骨があったからといって安易に“三角骨”と診断すべきではありません。
MRIで距骨本体とossicleの信号異常も、症状と合わせて判断すべきです。

しかしながら、本当に癒合しない場合は三角骨と診断することになります。
癒合しない理由として、Quainはossicleの近傍に長母指屈筋腱が走行しており、長母指屈筋腱の動きがossicleの癒合を妨げる可能性を述べています。
( Quain: Anat Anzeiger. 1889 )
なお、ossicleが非常に大きく発達して後方へ突出した状態は、Stieda’s processと呼ばれています。

三角骨障害

三角骨障害は、この三角骨が原因となり生じ、三角骨の距骨の衝突による骨髄浮腫や三角骨そのものの炎症による症状と、三角骨が脛骨と踵骨に挟まれることで発生する痛み(後側型インピンジメント症候群)が存在します。

三角骨障害は三角骨が形成された後の障害であるため、10歳代半ば頃から出現してきます。
頻繁に底屈動作を行うことが発症のきっかけとなり、スポーツ活動の盛んな人に圧倒的に多いと言われています。
発症頻度の高いスポーツとしては、サッカー・ラグビー・アメリカンフットボールなどがあげられます。
また、底屈強制の強い肢位であるため、クラシックバレエを行う人にも多いとされています。

症状

捻挫などの一度の大きな外力で疼痛を自覚する場合と、反復する運動によって徐々に痛みが出現する場合があります。
前者は距骨後方突起骨折(Shephard’s fracture)との鑑別が困難な場合が多いです。

患者はアキレス腱前方の痛みを訴えることが多く、足関節を底屈させると疼痛や違和感を覚えます。

画像

単純レントゲン写真では、三角骨を同定することができ(図1)、最大底屈位で脛骨と踵骨に三角骨が挟まれる像を認めます。
CT検査では、三角骨がよりわかりやすくなります(図2、図3)。

MRI検査では、三角骨と距骨本体との衝突がある場合では、三角骨と距骨本体との関節面にSTIR像や脂肪抑制T2強調像で骨髄内の信号上昇を認めます。
三角骨が脛骨および踵骨に挟まれている場合では、三角骨の骨髄信号上昇のほかに、三角骨周囲に限局した液体貯留や滑膜の肥厚を認めます。
また、近傍を走る長母指屈筋腱腱鞘内の液体貯留を伴うこともあります。

三角骨 CT sagital
図2:三角骨障害のCT所見(sagital)

三角骨障害 CT axial
図2:三角骨障害のCT所見(axial)

治療

治療としては、まずは保存療法を行います。
具体的には、NSAIDsの内服、底屈を制限するサポーターやテーピングを用います。
また、ステロイド薬と局所麻酔薬の局所注入が有効です。

保存療法に抵抗する症例や、スポーツにより繰り返し底屈強制される症例では、三角骨摘出術などの手術療法を考慮する必要があります。

参考図書

以上、今日は三角骨障害についてまとめてみました。
今度、ほかの副骨障害についてもまとめてみようと思います。

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