腰痛に対するスポーツ現場での評価・初期対応
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
尿管結石をしてから色々とあって、1週間近くブログを更新できていませんでした。
退院してから患者さんが急増していて純粋に忙しかったのもありますが。また、LINE@で連絡を頂いた中の何名かの方にもお返事できていませんでした。
今日からこちらも少しずつ返事していきますのでご了承ください。
さて、今日は腰痛に対するスポーツ現場での初期対応についてまとめます。
スポーツドクターとしてスポーツ現場で腰痛に対応することはあまり多くないかもしれませんが、油断していると腰痛に対して対応しなければならない場合があるかもしれません。
きちんと対応できるように、この記事で腰痛に対する評価・初期対応を知っておきましょう。
Contents
スポーツ現場での腰痛
サッカーの2014年ブラジルワールドカップの準々決勝ブラジルVSコロンビア戦で、ブラジルのネイマール選手(バルセロナ)がコロンビア代表DFスニガ選手に背中に飛び膝蹴りを食らってピッチに倒れ込み、痛みに涙を浮かべて担架で運ばれ、そのまま病院へ救急搬送されたプレーを覚えているでしょうか。
僕も生放送で試合を見ていましたが、本当に腰を痛がっていたのを覚えています。
結局、ネイマール選手は第3腰椎を骨折しており、ネイマール選手のワールドカップは絶望的となったのでしたね。
もちろん、試合中の椎体骨折に出会うことはあまりないでしょうが、僕が昨年行った空手道の大会でも腰椎分離症の既往のある選手が腰痛のために動けなくなり、ドクターストップとしたことがあります。
実際、スポーツドクターとしてスポーツ現場で腰痛に対応することはあまり多くないかもしれません。
しかし、上記のように腰痛に対して対応しなければならない場合もあるかと思うので、対応はきちんと知っておくべきでしょう。
腰痛に対する現場での評価
では、腰痛に対する現場での評価についてお話ししていきましょう。
まず、問診で痛みの部位や既往などを確認します。
問診で痛みの部位が背中の真ん中にあるのか、少し横なのか、側腹部なのかである程度、疾患を鑑別することができますし、腰椎椎間板ヘルニアや腰椎分離症の既往がないか確認することも大切です。
僕のように尿路結石の既往がある人はスポーツ中に体内が脱水になると疝痛発作が起こることもありますので、尿路結石の既往がある人の側腹部痛のときには尿路結石なども頭に浮かべる必要があるかもしれませんね。
次に、身体診察でSLRや知覚障害・筋力低下の有無を確認します。
それらの有無に有無により以下のように対応します。
- 知覚障害が確認された場合は、腰椎椎間板ヘルニアの可能性があると判断し、画像診断のために病院を受診させます。
- 歩行や離着席に支障をきたす程の疼痛を認めた場合も、腰椎や椎間板の異常の可能性を考慮し、病院を受診させましょう。
- 腰椎よりも腰筋膜への圧痛が認められた場合は、筋肉性疲労による腰痛と判断してよいと思われます。
SLRって何だ?と思った方は下の記事で確認して下さい。
腰痛に対する現場での対応
次に、腰痛を訴える選手にどのように対応したらよいのかについてです。
歩行や離着席に支障をきたす程の疼痛であれば、無理な姿勢を避け、一番楽に感じる姿勢をとらせます。
腹臥位で疼痛を引き起こすのであれば、臍の下辺りに毛布などを丸めて高くしてあげると、上体の過伸展が緩和され楽になります。
急性で、腰椎に激痛がある場合に限り、アイシングを施します。
逆に言うと、
なぜならば、アイシングをすると腰筋を緊張させることになり、起き上がりや歩行がかなり困難になってしまう可能性があるからです。
ですので、アイシングを行なった場合には、その後30分以上時間を空けてから、ホットパットなどで患部を温めて、軽いストレッチングやマッサージを施行すると良いでしょう。( 菊池聡.種目別スポーツ障害の診療:トレーナー編.2014 )
おわりに
以上、今回は腰痛に対するスポーツ現場での評価・初期対応についてまとめました。
スポーツドクターとしてスポーツ現場で腰痛に対応することはあまり多くないかもしれませんが、油断していると腰痛に対して対応しなければならない場合があるかもしれません。
そんなときにきちんと対応できるように、この記事で腰痛に対する評価・初期対応を知っておきましょう。
スポーツ現場で選手をサポートする方の参考になれば幸いです。
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