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小児のスポーツ頭部外傷の特徴|年齢との関係、入院・死亡率などについて解説!

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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

週末の土曜日は都道府県サッカー協会のスポーツ医科学員として会議に参加し、日曜日は社会人フットサル都道府県リーグの最終節があり、この週末はスポーツドクターとしても選手としても活動していました。結局、土曜日も日曜日も飲みの席があったので、ブログは更新できませんでした。

さて、今日は前回の続きで、小児のスポーツ頭部外傷についてです。

今回は、小児のスポーツ頭部外傷の総論的なお話として、年齢との関係、入院・死亡率などについて解説しようと思います。

小児のスポーツ頭部外傷

日本の年齢別死因統計(平成25年度)によると、不慮の事故は5〜9歳児の死因の第1位であり、頭部外傷は直接死因・後遺症の原因として最多となっています。(厚生労働省:平成25年人口動態統計の概況 統計表 第7表)

また、交通事故死傷や被虐待児の問題に加えて、近年では柔道事故、組体操事故など、学校体育や課外活動における頭部外傷に注目が集まっているのは、みなさんご存知だと思います。(内田良. 柔道事故データブック2012)(Araki T, et al. J Nippon Med Sch. 2015)

このように、小児のスポーツ頭部外傷は、現在医学的かつ社会的問題の1つであると言えます。

アメリカでは、年間およそ160万〜380万人の小児がスポーツ関連の脳震盪を負うと言われています。(Langlois JA, et al. J Head Trauma Rehabil. 2006)

また、小児スポーツ頭部外傷急性期の転帰について疫学的分析を行なっているPediatric Emergency Care Applied Research Network(PECARN)によると、スポーツ関連頭部外傷の頻度は年間1%程度であり、スポーツの種別で大きく異なるとされています。

小児のスポーツ頭部外傷のほとんどは軽傷であり帰宅可能なものではありますが、まれに経験される頭蓋内出血や合併症、死亡などの頻度については意外にも未知の領域が多いと言われているのです。(Ellis MJ, et al. J Neurosurg Pediatr. 2015)

そして、脳震盪を繰り返したプロスポーツ選手が慢性的な高次機能障害を発症した例についての報道が過熱し、日々のスポーツ活動が小児の脳に与える影響を懸念する親の声も増加しているのが事実です。

一方で、スポーツ頭部外傷の基礎・臨床研究は年々報告が増加しており、小児のスポーツ頭部外傷の病態を解明するだけの科学的根拠が蓄積されてきています。

この記事では、こういった科学的根拠の中から、小児スポーツ頭部外傷の総論的なものを紹介していこうと思います。

年齢とスポーツ関連頭部外傷の関係

まず、年齢とスポーツ頭部外傷の関係についてです。

一般的には、年齢の上昇に応じてスポーツ関連頭部外傷の頻度が増加することが知られています。(Kannan N, et al. Int J Crit Illn Inj Sci. 2014)(Langlois JA, et al. J Head Trauma Rehabil. 2005)(Stocchetti N, et al. Minerva Anesthesiol. 2010)

特にローラースケートやローラーボードなどによる受傷は7〜17歳に多く約25%にもおよぶとされ、ローラーを調整できる運動性とバランス感覚を獲得した年齢かどうかが発生に重要と考えられます。

このように運動能力の発達と受傷の傾向はどのスポーツ活動においても考慮される必要があるのです。

高等学校での部活動における受傷形態は、年少児童とは傾向が異なるため別途に調査対象となっていることが多いですが、高校時代は同一年齢における運動人口が高いこと、高学年になるとヘッドギアなどの防具着用の減少などが頭部外傷率の増加に関与していると推測されています。(McDonald’s and the U.S. Consumer Product Safety Commission. 1999)

入院を要する小児のスポーツ頭部外傷

続いて、入院を要するスポーツ頭部外傷についてです。

Yueらは、小児スポーツ関連頭部外傷による入院割合は2.2%と報告しています。(Yue JK, et al. Neurosurg Focus. 2016)

その際、来院時の救急室におけるGlasgow Coma Scale(GCS)Injury Severity Score(ISS)が独立予後予測因子であり、小児の入院は成人より頻度が高いとされています。

在院日数は受傷機転と相関があって、特にローラースポーツによる受傷は入院やICU入院の頻度を高める傾向となっています。

また、スキーやスノーボードによる頭部外傷においても帰宅可能な割合が減少したとの報告もあります。

僕はローラースポーツはやらないし、ウィンタースポーツもやりませんが、これらのスポーツは転倒リスクが高いことは容易に想像できます。

このような転倒などによる頭部外傷発症リスクが高いと考えられるすべてのスポーツ競技において、ヘルメットなどの防具の着用率を高めることが重要なのでしょう。

スポーツ頭部外傷の死亡率

最後に、スポーツ頭部外傷の死亡率についてです。

Kannanらは、頭部外傷による小児の一般的死亡率は2.5%程度と推測しています。(Kannan N, et al. Int J Crit Illn Inj Sci. 2014)

従来、死亡に関する因子としては、以下のものが挙げられます。

死亡に関する因子
  • 4歳未満
  • 心肺蘇生
  • 多発外傷
  • 低血圧
  • 低酸素
  • 低二酸化炭素ガス血症
  • 高血糖
  • 頭蓋内圧亢進

これらが、スポーツ頭部外傷に共通の条件であるかどうかは今後の研究が必要であると言われています。

現時点では、来院時GCSとISSが予後予測因子である可能性があることは先ほど述べたとおりです。

おわりに

以上、今回は小児スポーツ頭部外傷の総論的なことに関してまとめました。

今後は小児スポーツ頭部外傷の各論として、脳震盪や画像、Child-SCAT3、リハビリ、予防についてお話ししようと思います。

興味のある方は乞うご期待。

ではフットサルに行ってきます。

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