2017/09/01

肉離れの手術的治療|手術方法、術後リハビリ、実際の症例紹介!

 

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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること!仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい!日々の勉強のため、また、同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思いブログを書いています。➡︎詳しいプロフィールはこちら

よせやん

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スポーツドクターを目指す若手整形外科医です。

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

今日は大学病院ではめずらしい骨折の手術があったので、大学の仕事自体はめずらしく面白かったのですが、関係のないことでショッキングなことのあった1日でした。何事もできることは本当に早めにやっていかなきゃいけないなと思いました。とにかく先延ばしにはしないこと!!ですね。

さて、今日も昨日に引き続き、肉離れの手術的治療についてやっていきましょう。

特に今回は、実際の手術方法手術後のリハビリテーションについてお話しし、最後に実際の症例を紹介します。

手術的治療の実際

まず、肉離れに対する手術を行う場合、どういう手術をするかについてお話しします。

一般的に、

腱付着部引き抜け損傷の急性期症例の手術術式は、損傷腱断端の解剖学的付着部への縫着が原則

とされ、近年はアンカー(非吸収性、もしくは吸収性)を用いた縫着が多くなっています(図1)。

肉離れ 手術
図1:ハムストリング近位付着部裂離損傷の手術術式のシェーマ
( 中嶋 耕平.MB Orthop. 2010より引用 )

また、陳旧例などで、断端の短縮により解剖学的な付着部への縫着が困難な例では、自家腱や人工靭帯などの補強材料を用いて縫着を行います。(Marx RG, et al. Knee Surg Sports Traumatol Arthrosc. 2008 )

手術後のリハビリテーション

続いて、手術後のリハビリテーションについてです。

手術後の後療法は、術中に損傷筋腱を縫着した時点で、他動的関節運動における緊張状態を参考にして、筋腱の過緊張を取り除いた肢位で2〜3週間の安静状態を保持します。

その後は保存的治療と同様、3〜6週で正常な関節可動域の回復を目指します

関節可動域が回復したら、等尺性筋収縮訓練から開始します。その後も、MRIにより定期的に縫着部位の評価を行いながら運動負荷を上げていきましょう。

手術的治療を行った場合においても、定期的にMRIで縫着した腱性部の回復程度を把握しながら、リハビリテーションを進めていくことが大切です。

症例供覧

参考までに、ハムストリング近位共同腱付着部の裂離損傷に対して、手術を施行した症例を紹介します。

共同腱、半膜様筋腱がいずれも断裂しており、Ⅲ型の中でも重症の症例です。症例は参考にさせて頂いた以下の論文より抜粋しています。( 中嶋 耕平.MB Orthop. 2010 )

また、画像所見の推移を示しておきます(図2)。

症例は25歳、男性でレスリング選手です。

レスリング試合中に、左膝関節伸展位、股関節屈曲位を強制された状態で投げ技をかけられて受傷しました。患者本人は、「受傷時に左殿部から大腿後面にかけて何かが剥がれるような衝撃と疼痛を感じた。」と表現していたそうです。

受傷後3日目に外来を受診され、左大腿後面に広範な皮下血腫を認め、疼痛のため自力での膝関節屈曲は困難、膝関節伸展位での他動的下肢挙上(SLR)でも疼痛増強と脱力感を訴えていました。

受傷後3日目のMRI(図2上段)では、冠状断・矢状断にて断裂、短縮した腱性部が確認でき、水平断では坐骨結節に付着する腱性部が縮小しており、坐骨結節からの引き抜け損傷(Ⅲ型)と診断されました。

肉離れ 術後経過
図2:(左)coronal (中)sagittal (右)transvers

受傷後16日で手術を施行されています。

坐骨結節より約4〜5cm遠位の筋間に断裂して短縮した共同腱(半腱様筋腱と大腿二頭筋長頭腱)と半膜様筋腱の断端が確認され、各腱断端の不正な線維を切除、新鮮化してチタン製アンカー3本にて解剖学的付着部に縫着しています。診察上、縫着した筋腱の緊張は股関節伸展位であれば膝関節伸展位でも過度の緊張増加は認めなかったため、外固定は行っていません。

  • 術後3週間は安静度を車椅子までとし、股関節屈曲時に膝関節伸展位をとることを禁じ、膝関節の伸展時には股関節も伸展位をとるように指導しました。
  • 術後3週以降は患肢を健肢よりも前に降り出さないように注意しながら、歩行器歩行〜松葉杖歩行へと移行しました。
  • 術後5週目以降は平地での通常歩行訓練を開始しました。
  • 術後8週〜徐々に患肢のストレッチングと筋力増強訓練を開始しました。
  • 術後6ヶ月で部分練習への復帰を許可しましたが、ハムストリングの強い収縮時には疼痛が残存していました。
  • 術後6ヶ月のMRIでは、高信号領域は縮小していますが、坐骨結節に付着する腱性部に高信号領域が残存していました。
  • 術後8ヶ月で疼痛が消失し、通常の練習強度に復帰、術後12ヶ月で元の競技レベルに復帰しました。
  • 術後12ヶ月のMRIでは、術後6ヶ月にみられた高信号領域はほぼ消失しています。

おわりに

以上、今回は肉離れの手術的治療に関して実際の手術方法手術後のリハビリテーション実際の症例を紹介しました。

「肉離れ」はスポーツ活動中に発生する代表的スポーツ外傷であり、捻挫などと同様に医療従事者以外にスポーツ競技者や一般社会でも広く認知された疾患です。というわけで、今まで肉離れについてはかなり詳しくまとめてきました。

追記(2017/3/7):後日、肉離れのまとめ記事を作成予定です。

今まで肉離れについてまとめてきた内容に参考になるものがあれば幸いです。

 

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