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スポーツ傷害とスポーツ外傷、スポーツ障害の違い、わかってますか?|それぞれの特徴まで知っておこう!

 
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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

今日は関連病院で24時間の当直です。 当直といっても基本的に呼ばれることのほとんどない、いわゆる“寝当直”ってやつですが。基本的に当直は月に5〜6回くらいあります。今日は寝当直でかなり時間がありましたので、先日言っていた論文を書き終えました。残りは勉強に当てようかなぁと思います。

さて突然ですが、

スポーツ傷害・スポーツ外傷・スポーツ障害の違いを理解していますか?

実は、これらはそれぞれ意味するものが違います。

今回はスポーツ傷害スポーツ外傷スポーツ障害に関してまとめていきます。

Contents

スポーツ傷害・外傷・障害とは

まず、スポーツ外傷とスポーツ障害の違いを説明します。

スポーツ外傷と障害
  • スポーツ外傷
    スポーツ中の明らかな外力により受傷したケガ
  • スポーツ障害
    明らかな外傷の既往がなくスポーツを続けることで(通常は繰り返す負荷により)生じたケガ のことをいいます。  

そして、

このスポーツ外傷とスポーツ障害を合わせてスポーツ傷害といいます。

スポーツ外傷

現在、県内のサッカーの試合や大会のマッチドクターの仕事はほとんどを自分がやらせてもらっています。 これはスポーツドクター志望の人が多い都会ではなく、地方だからこそできることだと思います。

マッチドクターの際に遭遇する可能性が高いのはスポーツ外傷でしょう。

とういうわけで、スポーツ外傷に関してスポーツドクターの立場から書いていきます。

一般的な運動器の外傷はそのほとんどが大きな外力が加わって受傷しますが、スポーツ外傷は純粋な外力によるものばかりではなく、自家筋力や自分自身の動作による損傷(非接触型損傷)も多いといわれています。

ジャンプや着地による膝や足の靭帯損傷・アキレス腱断裂・肉離れ、投球動作による上腕骨の投球骨折、ゴルフや野球のスイングによる肋骨骨折などが有名です。

スポーツ活動には外傷は避けて通ることができず、外傷が生じた場合には迅速な対応が必要になります。

特に、試合中に生じた外傷では、その後の試合復帰の可否をその場で判断する必要があります。

脳震盪などの重篤なスポーツ外傷ではガイドラインが策定されるなど、安全性が最重要視されています。

スポーツ外傷に対する応急処置としてはRICE+S療法が重要です。

RICE+S療法とは以下の5つの処置を表します。

RICE+S療法
  • Rest(局所の安静)
  • Icing(冷却)
  • Compression(圧迫)
  • Elevation(挙上)
  • Stabilization(固定) 

RICEの4つが有名ですが、これに加えて、重度の損傷の場合は、痛みや腫脹を軽減し治癒の促進を図るとともに、患部の安静および二次的な損傷を予防するためにStabilization(固定)も重要であると言われています。

運動器の受傷に伴い、組織が破綻し、患部の毛細血管が損傷を受けない出血し、炎症も起こります。次に組織内に炎症性物質や血液が貯留し、患部が腫れます。

RICE+S療法はそれぞれの手技でこの腫れを最小限に抑えることで、症状の慢性・長期化を防ぎ、早期のスポーツ復帰を目指すために重要です。 

スポーツ障害

スポーツ障害の多くは同一の動作を繰り返すことによって特定部位に過負荷が加わって生じる、いわゆるオーバーユース(overuse)障害です。

こちらの場合の多くは、試合会場でというよりは患者が病院に受診されて、はじめて診ることになることになると思います。

小児期のスポーツ障害はOsgood-Schlatter病や野球肩、野球肘などその多くが骨端部に繰り返しの外力が加わることによって生じる骨端線の障害です。したがって、画像診断では骨端部の状態を詳細に確認する必要があります。

小児期は成長に伴い骨端部の状態が著しく変化するため、画像検査を行う際には両側を撮影して左右差を比較することが大切です。

OS病
図1 Osgood-Schlatter病のX線所見

リトルリーグショルダー
図2 野球肩(リトルリーガーズショルダー)のX線所見 左図:患側

成人は、男性では腱や腱の骨付着部に対する過牽引による障害(enthesopathy)や疲労骨折が多いとされています。

特にスポーツ障害は下肢に多く、アキレス腱周囲炎や腸脛靭帯炎、膝蓋靭帯炎、足底腱膜炎、鵞足炎などがみられ、上肢ではテニス肘(上腕骨外側上顆炎)・ゴルフ肘(上腕骨内側上顆炎)、手指腱鞘炎などがみられます。

サッカー日本代表のDF内田篤人選手は、膝蓋靭帯炎で長期的に苦しんでおり今回手術を受けて現在リハビリ中ですよね。

女性では関節の弛緩性(laxity)に伴う関節面の過負荷による関節軟骨の障害が多いとされています。

弛緩性のある関節は運動を行う上で、動く範囲が大きくなり競技能力にプラスの面もありますが、障害・外傷の観点からは異常な可動性のため靱帯損傷などを起こしやすくなる可能性が高いと言われています。

この為、柔らかい関節については周囲筋力をトレーニングすることにより筋肉で関節の保護を行うことも大切になります。

弛緩性テストは下図のようにテストを行います。

関節

弛緩性テスト
  1. 母指が前腕につく
  2. 肘が15度以上過伸展する
  3. 背中で指が握れる
  4. 膝が 10度以上過伸展する
  5. 足関節が 45度以上背屈する
  6. 手掌が床につく
  7. 足が 180度以上開く

あなたはいくつできましたか?!

自分はどれひとつとしてできる可能性すら感じません…。みなさんもぜひ一度、やってみてLaxityがないか試してみてください。

おわりに

以上、今回はスポーツ傷害スポーツ外傷スポーツ障害についてまとめました。

今回はスポーツ障害の総論的なことをまとめましたが、個々の疾患に関してしっかり勉強し、遭遇した際にしっかりと診断し対応できるようになっておかないといけませんね。

また、種目ごとに多いスポーツ傷害に関しても、またの機会にまとめたいと思います。

 

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