膝蓋骨脱臼とは|好発年齢、性別、脱臼の種類、先天性脱臼素因、発生機序など詳しく解説!
どうも、こんにちは。
整形外科医のよせやんです。
よせやん
48時間連続勤務がやっと終わりました。
大学での重症救急をひたすら見たり、輪番病院での当直をしていると流石に疲れますね。
資産形成も順調ですし、本当に疲れてしまった時が来たら当直は寝当直だけにしようかなと思います。笑
年齢によってハードワークが大切な時期、QOLが大切にすべき時期がありますからね。
人生のその時その時に大切なものを見逃さないように頑張ろうと思います。
今日はフットサルもお休みなので比較的時間があります。
というわけで、引き続き膝蓋骨脱臼についてまとめていきます。
▲膝蓋骨脱臼に大きく関わる内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)の解剖|付着部と走行をめちゃくちゃマニアックに!
▲膝蓋骨脱臼に大きく関わる内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)のバイオメカニクスをマニアックに!
本日は、いよいよ膝蓋骨脱臼とはどんな病気なのか?ってところをお話ししようと思います。
膝蓋骨脱臼の好発年齢、性別、脱臼の種類、先天性脱臼素因、発生機序など詳しく解説していきます。また、膝蓋骨脱臼の受傷シーンも動画で紹介しますので、参考にして頂けると幸いです。
Contents
膝蓋骨脱臼とは
脱臼素因を有する若年女性に多く、膝蓋骨は大腿骨に対してほとんどのケースでは外側に脱臼します。
A dislocation of the #kneecap occurs when the patella comes completely out of its groove on the end of the thigh bone (femur), and comes to rest on the outside of the knee joint. Here are signs of a kneecap dislocation. #cartilage #allograft #drbriancole https://t.co/kLDKF5EOyO pic.twitter.com/5F0sJMKJAi
— Brian Cole (@BrianColeMD) May 21, 2020
大きな直達外力による純粋な外傷性膝蓋骨脱臼は稀で、先天性脱臼素因を有する患者さんに外傷が加わって発生する膝蓋骨脱臼がほとんどです。
脱臼時には、内側膝蓋大腿靱帯(MPFL)が断裂するため、再脱臼しやすくなり、反復性になってしまう可能性が高いです。
ここで、今までまとめてきたMPFLが出てくるわけですね。
よせやん
膝蓋骨脱臼の種類
ひとえに膝蓋骨脱臼といっても、実はいくつかの種類があるので紹介しておきます。
- 反復性脱臼:通常、関節は適合状態にあるが、外傷などにより脱臼を繰り返す
- 習慣性脱臼:通常、関節は適合状態にあるが、一定の肢位で容易に脱臼する
- 恒常性脱臼:常に脱臼している
これは、膝蓋骨脱臼以外の脱臼についても使える脱臼の種類なので、知っておくとよいでしょう。
恒常性脱臼は先天性のものや脱臼を放置して脱臼位で拘縮してしまったものが多いので、通常、臨床で出会うのは、反復性脱臼か習慣性脱臼かと思います。
膝蓋骨脱臼の先天性素因
では、膝蓋骨脱臼の先天性素因としてはどんなものがあるのでしょうか。
こちらも紹介しておきましょう。
膝蓋大腿関節の異常
- 大腿骨外顆形成不全
- 膝蓋骨形成不全(扁平膝蓋骨)
- 膝蓋骨アライメント異常
- 膝蓋骨高位
支持構造物の異常
- 内側広筋の萎縮・斜走線維の付着部異常
- 内側膝蓋支帯の弛緩
- 膝蓋骨外側支持機構の過緊張
- 関節弛緩性
四肢のアライメント不整
- 大腿骨頚部の前捻
- 大腿骨顆部の内旋
- 脛骨の外旋
- 膝蓋骨の外側付着
- 外反膝
など
こんな感じで多くの素因が報告されていますが、多いものはオレンジで書いたものかと思います。
ここら辺は覚えておくとよいでしょう。
よせやん
膝蓋骨脱臼の発生機序と受傷シーン
最後に膝蓋骨脱臼の発生機序についてもお話ししておきましょう。
一般的には、膝関節軽度屈曲位で膝関節外反と下腿の外旋強制、大腿四頭筋の強い緊張により発生すると言われています。
ちょっとACL損傷の受傷起点にも似ているんですよね。
そんな受傷シーンを一つ紹介しておきます。
Braidon Burns off with suspected patella (kneecap) dislocation. Can see clear deformity, hopefully just dislocation and no patella tendon/knee ligament involvement. Best case: rehab & 3-6 weeks. If soft tissue damage significant & kneecap unstable: surgery & 3+ months pic.twitter.com/7zPjN0A5R0
— NRL PHYSIO (@nrlphysio) July 5, 2020
そのほかにも、下腿・足部が固定されて状態で、膝関節屈曲位で体幹・大腿部を強く内旋し、さらに膝蓋部に内側から強い外力が加わった時にも発生する言われています。
スポーツ中のシチュエーションとしては、ラグビーやアメリカンフットボールなどでタックルを受けた時、野球でベースに滑り込みベースに足を引っ掛けたまま相手選手とぶつかった時などに発生します。
おわりに
以上、今回は膝蓋骨脱臼とはどんな病気なのか?お話ししました。
どうでしたか?
知っていることばかりでしたでしょうか。
僕の専門の1つでもある膝疾患については今後ももっとまとめていかないとですね。
とりあえずは引き続き膝蓋骨脱臼の診察や診断、治療などについてまとめていきます。
よせやん
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