セカンドインパクト症候群|脳震盪を軽視してはいけない理由!

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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

今日は脳震盪の後遺症として起こりうるセカンドインパクト症候群についてお話しします。

スポーツ関係者のみなさん、セカンドインパクト症候群ってご存知ですか?

脳震盪などの軽い頭部外傷後に起こるものですが、実はこれ、かなり怖い病気なのです。スポーツ関係者全員に必ず知っておいてほしい知識です。この記事を読んで、セカンドインパクト症候群について、そして、軽い頭部外傷だからといってすぐにスポーツ復帰させることの危険性を知って頂ければ幸いです。

今回の記事は主に下の文献を参考にしています。
永廣 信治ら.神経外傷.2013

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脳震盪とは

セカンドインパクト症候群について勉強する前に、まず脳震盪について下の記事で確認しておきましょう。 

脳震盪の症状と持続時間|注意すべき脳震盪とは?

2016.09.11

セカンドインパクト症候群とは

まず、セカンドインパクト症候群とは何なのでしょうか。

セカンドインパクト症候群とは、脳震盪あるいはそれに準ずる軽症の頭部外傷を受け、数日から数週間後に2回目の頭部外傷を負い、致命的な膿腫長をきたすものをいいます。
1973年にSchneiderにより初めてその存在が報告されました。

1回目は軽症の頭部外傷であり、脳震盪と診断されていることが多く、0〜30日(平均1〜2週間)後に2回目の頭部外傷を受け、重篤な状態に陥ります。2 回目の外傷も、単独では致死的な脳損傷をきたすほどではない程度であることが多いとされいます。
( Cantu RC. Phys Sportsmed. 1995)

つまり、

1回目の頭部外傷も、2回目の頭部外傷も、外傷の程度としては必ずしも重いわけではない。

ここに、セカンドインパクト症候群の怖さがあります。

セカンドインパクト症候群の特徴

では、このセカンドインパクト症候群は怖い病気なのでしょうか。

その特徴を見てみましょう。

セカンドインパクト症候群の特徴

死亡率は30〜50%と高く、生存しても何らかの神経学的後遺症を残す

・頭部外傷を繰り返し起こす可能性の高いボクシング、空手、柔道、相撲なのど格闘技、アメリカンフットボール、ラグビー、アイスホッケーなどのコンタクトスポーツに多い。

18歳以下の若年者や、1回目の受傷から十分な期間を経ずに復帰した場合に起こりやすい。

そうです!
セカンドインパクト症候群とは、想像以上に怖い病気なのです。

軽い頭部外傷だからといって、若年者をすぐに格闘技やコンタクトスポーツに復帰させてしまうことがどれだけ危険なことかおわかり頂けるでしょうか。再受傷し、セカンドインパクト症候群に陥ってしまった場合はその半数近くが死亡につながり、生存できたとしても神経学的な後遺症を残してしまうのです…。

セカンドインパクト症候群と急性硬膜下血腫

また、近年の論文では、セカンドインパクト症候群の2回目の受傷時には、ほとんどの症例で急性硬膜下血腫を伴うことが報告されています。
( Cantu RC. J Neurotrauma. 2010)
( Mori T, et al. Acta Neurochir Suppl. 2006)

セカンドインパクト症候群の本態が、Cantuらのいうvasoparalysisによる急性脳腫脹であるのか、急性硬膜下血腫とそれに伴う半側大脳半球の腫脹であるかについての結論は出ていませんが、永廣らは急性硬膜下血腫が何らかの形で関与していることは間違いないと述べています。

軽症の急性硬膜下血腫を受傷した選手が無症状となったからといって競技に復帰してしまい、その後に重篤な急性硬膜下血腫になってしまった症例が散見されることから、セカ ンドインパクト症候群の1 回目の頭部外傷が臨床症状は脳振盪(脳振盪症候群)であっても、実は軽症の急性硬膜下血腫が相当数含まれるのではないかという仮説も言われています。

セカンドインパク症候群を防ぐためには

このような怖いセカンドインパクト症候群ですが、その発症を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか。

今までの内容を読んで頂けたらおわかり頂けるかもしれませんが、

セカンドインパク症候群を防ぐためには、脳震盪などの頭部外傷を受傷した後に、きちんと段階を踏んで競技に復帰することが最も重要です。

脳震盪などの頭部外傷を受傷した後の競技復帰の仕方に関しては、こちらの記事をご覧下さい。

脳震盪からのスポーツ復帰|子どもの場合は特に慎重な段階的復帰を!

2015.12.10

まとめ

以上、今回はセカンドインパクト症候群についてお話ししました。セカンドインパクト症候群の怖さ、そして、脳震盪を軽視してはいけない理由がおわかり頂けたでしょうか。

軽い頭部外傷だからといって、若年者をすぐに格闘技やコンタクトスポーツに復帰させてはいけません!

これは、スポーツ選手、監督・コーチなどのチームスタッフ、そして、選手の家族を含め、スポーツに関係する人には全員知っておいて欲しいことです。スポーツ頭部外傷による悲しいニュースが減るように、この記事の内容をシェアして頂けたら幸いです。

また、脳震盪などの軽い頭部外傷だとしても繰り返すことにより、後遺症として高次脳機能障害が生じてしまう可能性があります。いこちらに関しては下の記事で勉強して下さい。

高次脳機能障害|脳震盪などの頭部外傷を繰り返すことによる後遺症

2016.10.01

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