骨盤骨折を勉強するためのおすすめ教科書|用途別のおすすめ教科書が見つかる!
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
1月になって日本サッカー協会の仕事で東京のJFAハウスまで行ってきました。
いつも、お世話になっている先生や新しく出会えた先生とお話しさせて頂き、今年もまた頑張っていこうと思うことができました。
さて、今日は骨盤骨折を勉強するためのおすすめ教科書を紹介しようと思います。
骨盤骨折の手術は、ときに重い合併症を引き起こしたり、命に関わることもあり、決して軽い気持ちで手を出していいものではありません。
他の部位の手術でも一緒ではありますが、骨盤骨折の手術の場合は特にしっかりとした解剖学、手術アプローチの知識、そして、術前の綿密な計画が必要です。
この記事では、そんな骨盤骨折を勉強するためのおすすめ教科書を用途別に厳選して紹介していきます。
Contents
骨盤骨折の総論
では、まず骨盤骨折の総論的な教科書を最初に紹介します。
僕も骨盤骨折の勉強がしたくて教科書をいろいろと探していたのですが、骨盤骨折のみに特化した教科書は見つけることができませんでした。
結局、何で勉強したかというと、以下の2つの骨折の総論の教科書です。
この2冊は骨盤骨折に限らず、骨折について勉強する上で、骨折の分類から治療、手術方法、後療法に至るまでしっかりとまとまっていて、整形外科医ならば持っておいて絶対に損のない教科書です。
骨盤骨折についても、骨盤輪骨折と寛骨臼骨折に大別して詳細に勉強することができるのでここで紹介しておきます。
この教科書は、骨折と脱臼に焦点を当て、オーソドックスな手術法を中心に、最新の知見・手術法までを網羅して解説したスタンダードな専門書です。
骨盤骨折についても結構詳しく臨床に即してまとめられており、非常に使えます。
僕もこの教科書を知ったのは今の病院に来てからですが、今は骨折や脱臼の患者さんが来たときに、この教科書を辞書的に使って、その対応や保存療法と手術療法の選択、後療法などを勉強しています。
よせやん
そして、骨折治療でおなじみのAO法の教科書です。
実践的な骨折治療のノウハウが余すことなく収載されていて、生物学的な観点から骨折の病態生理を基礎に、その治療法選択における基本的な考え方、手術手技上の注意点、機能的な術後管理までが体系的にまとめられています。
骨盤骨折についてもかなりしっかりとまとまっており、その骨折のタイプごとに手術アプローチを含めた治療法が書かれており、この教科書があれば骨盤骨折の治療のスタンダードを知ることができます。
こちらは各論を読んでみると思っている以上に勉強になることばかりで、やっぱり骨折治療を勉強する上でこの教科書は欠かせないなと思わされます。
よせやん
骨盤の画像診断
続いて、骨盤の画像診断の教科書です。
この教科書は、「股関節・骨盤」領域に特化した本格的な画像診断の教科書です。
モダリティ別の撮像法など画像診断の基本を解説した上で、日常診療でおさえるべき疾患、稀だが重要な疾患を厳選し、豊富な画像写真を交え詳述してくれています。
MRI診断が重要な役割を占めるようになってきた整形外科診療の現状を踏まえた記述がなされており、放射線科、整形外科をはじめ、股関節・骨盤の画像診断に携わる医師・技師には非常に有用な教科書だと思います。
よせやん
骨盤骨折の手術
続いて、骨盤骨折の手術の教科書です。
骨盤骨折の手術を行う上でのアプローチについては、骨盤骨折の総論のところで紹介した2冊の教科書でも勉強することができます。
しかしながら、当然手術を行う上では実際の展開に即したイメージを持っておくことが必要だと思うので、もう少し詳しく写真やイラストで学ぶことができる教科書が必要になってくるでしょう。
あとは、術前に骨盤の模型をしっかりと見て、骨盤の立体的なイメージを理解しておくことも必須です。骨盤の構造は立体的で非常に複雑ですので、3Dプリンターや模型を使ってしっかりと理解しておきましょう。
というわけで、ここでは骨盤骨折の手術についてしっかり学べる教科書を紹介します。
この教科書は、手術手技を視覚的に認知し、その体得を可能にするバイブル的な手術手技教科書のシリーズです。
この教科書では、骨盤と股関節の手術の教科書なので、股関節へのアプローチとして普遍的な進入法についても書かれていますが、寛骨臼骨折に対応する腸骨鼡径アプローチやK-Lアプローチについて詳細に学ぶことができます。
イラストレーションを主な媒体として手術手技を視覚的に明示することに力を注ぐ一方で、説明文を極力少量化してポイントに絞った分かりやすい解説にとどめていることが大きな特長と言えるでしょう。
よせやん
続いて、おなじみOS NEXUSシリーズですね。
OS NEXUSは、OS NOWと比べかなり内容がアップデートされているだけでなく、より一層ポイントがわかりやすくなっているため、しっかりと勉強したい分野に関してはついつい揃えてしまう教科書シリーズですね。OS NEXUSシリーズは、『Fast Check』で手術の要点をおさえ、『NEXUS View』で手術のコツや注意点がひと目でわかる構成になっており、電子書籍版も同時刊行しているのが特徴です。
この教科書は骨盤骨折の手術についてもかなり使えます。
骨盤骨折の手術の勉強で一番使ったのはこの教科書かもしれません。
創外固定のハイルート、ロールートはもちろんのこと、骨盤骨折への典型的なアプローチである腸骨鼡径アプローチやK-Lアプローチ、そしてStoppa変法などについてもしっかりと学ぶことができ、さらには最近はやりの恥骨や仙骨への経皮的スクリュー固定についての手術手技も勉強できます。
よせやん
骨盤とスポーツ外傷
ちなみに骨盤とスポーツ外傷についての教科書ならこの教科書もおすすめです。
成長期に多い骨盤の裂離骨折はもちろんのこと、骨盤輪不安定症や大腿骨寛骨臼インピンジメント、関節唇損傷、関節軟骨損傷、鼠径部痛症候群など、骨盤・股関節・鼠径部のスポーツ疾患について広く勉強することができます。
スポーツに携わるすべての医療従事者には参考になる教科書だと思います。
よせやん
骨盤骨折の英語の教科書
最後に、骨盤の英語の教科書を紹介しておきます。
医師にとって英語は論文を読んだり、書いたりする上で必ず必要です。
意味の知らない単語や言葉の言い回しを調べる時間を減らすためにも、少しでも慣れておいて損はありません。
日本語の骨盤骨折に特化した教科書はあまり存在しませんが、洋書であればいい教科書があります。
骨盤骨折の治療についてしっかりと勉強したい人はこちらを読んで頂くとよいでしょう。
おわりに
以上、今回は骨盤骨折を勉強するためのおすすめ教科書を紹介しました。
骨盤骨折は他の部位よりもさらにしっかりと勉強して手術に臨む必要があります。
この記事が骨盤骨折の教科書を探している方の参考になれば幸いです。
何はともあれ、日々勉強することのどれだけ多いことか。
勉強してもしても新しく勉強することが湧き出てきます。
若手だから当たり前なんでしょうが、前線でやっていくためには、結局医者はいつになっても日々勉強なのかなと思います。
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