腓腹筋の解剖学的知識まとめ|作用から起始・停止・支配神経まで全て解説!
どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。
よせやん
今日は久しぶりに解剖学シリーズです。
今日は下腿後方浅層の屈筋群の1つの筋である腓腹筋についてまとめます。
Contents
はじめに
運動器診療を行うにあたり、解剖学は切っても切り離すことができません。
解剖学の知識があって損することは絶対にないでしょう。
医学生時代には、解剖学の講義もあったし、解剖学実習もありました。
しかし、非常に残念なことながら、医学部2年生のときにやってその内容についてはほぼ頭に残っていないといっても過言ではありません。
解剖学の必要性を感じるようになったのは医者になってからです。
特に整形外科医として患者さんを診察・手術するうえで、解剖学の知識があることは大前提でなくてはなりません。解剖がわかってないと診察の幅も狭まってしまうし、手術なんて怖くてできません。
僕自身の復習と勉強を兼ねて、1から解剖を勉強し直すつもりです。
それをみなさんにも還元できるように記事にしていきたいと思います。
医師のみならず、人体を相手にする仕事をしている方、スポーツ医学についてしっかりと勉強したい方は記事を参考にして解剖について勉強してみて下さい。
よせやん
今日は下腿後方浅層の屈筋群の1つである腓腹筋についてまとめます。
覚えておくべき基本事項
というわけで、今回は下腿後方浅層の屈筋群の1つである腓腹筋についてのまとめです。
今回も、まずは覚えておかなくてはいけない基本的事項から最初に整理します。
起始:①内側頭:大腿骨内側上顆
②外側頭:大腿骨外側上顆
停止:アキレス腱を介して踵骨隆起
作用:①距腿関節:底屈
②距骨下方の関節(距踵関節+距踵舟関節):内反(回外)
③膝関節:屈曲
神経支配:脛骨神経(S1、S2)
ここに書いた筋の英語名、起始と停止、作用、神経支配はどの筋についても覚えておくべきことです。
よせやん
腓腹筋
腓腹筋は、英語では「gastrocnemius」と書き、「ガストロクニーミアス」と読みます。
臨床では略して「ガストロ」と言われますね。
gastrocnemiusの由来は少し分かりにくいかもしれません。
ギリシャ語のガステール「腹・腹のように膨らむ」にクネーミス「脚・脛(すね)」がついて、gstrocnemiusという単語が生まれました。
腓腹筋は、下腿後方浅層の屈筋群の1つであり、距腿関節の底屈、距骨下方の関節(距踵関節+距踵舟関節)の内反(回外)、膝関節の屈曲に作用します。
なんで2つの筋なのに三頭筋なのかと思われるかもしれませんが、腓腹筋には内側頭・外側頭の2つの筋頭があるからです。
ちなみに、足底筋は下腿三頭筋の第4の筋頭としてしばしば示されます。
下腿三頭筋は、2つの関節にまたがって作用する二関節筋であることも知っておいた方がいいでしょう。
ちなみに、肉離れのところで勉強しましたが、肉離れの好発部位はハムストリングスが最多で、大腿四頭筋、下腿の腓腹筋と続くのでした。
これらの筋に共通することは何かわかりますか?
それは、
肉離れが好発する筋肉に共通していることは二関節筋であるということ
です。
2つの関節を同時に屈伸させることによって、特定の筋肉での急激な伸張が起こりやすくなるのです。
遠心性収縮ってキーワードがありましたよね。
今まで勉強してきたことと関連づけて覚えていきましょう。
では、下の図を見て、腓腹筋の走行と起始・停止をしっかりと覚えましょう。
腓腹筋の走行、内側頭の起始部である大腿骨内側上顆と外側頭の起始部である大腿骨外側上顆、アキレス腱を介して停止部となる踵骨隆起の位置を確認しておいてください。
図2:腓腹筋の解剖図 起始部・停止部(船戸和弥のホームページ(相互リンク)より引用)
そして、最後に大切なのが神経支配ですね。
腓腹筋の支配神経は脛骨神経(S1、S2)です。
脛骨神経が支配している筋は、主に大腿と下腿の後方の筋と覚えましょう。
解剖学のおすすめ教科書
プロメテウスでは、解剖学のかなりコアなところまで勉強することができます。
また、表紙にもありますが、本当に綺麗なイラストが特徴です。
医師として解剖学アトラスを購入するのであれば、プロメテウスが1番おすすめです。
僕もこれは整形外科医になってから購入しました。
看護師、理学療法士、作業療法士などのコメディカルの先生方を含め、この本を購入して後悔している人には出会ったことがありません。
その他の解剖学の教科書についてはこちらの記事を参照してください。
おわりに
以上、今回は下腿後方浅層の屈筋群の1つである腓腹筋について勉強しました。
解剖学もしっかりと勉強してみると何事もおもしろいですよね。
今後も筋肉や骨、神経について1つずつまとめていく予定です。
自分と一緒に1つずつ勉強していきましょう。
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