肉離れをはじめとした筋損傷のスポーツ現場での初期対応

Sponsored Link

どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

今日は祝日ですね。ありがたく仕事を進めたいと思います。論文がたまってきています…。

さて、前回まで、筋損傷、特に肉離れのメカニズムや特徴、診察・診断について勉強してきました。

肉離れはじめとした筋損傷とは|その種類・メカニズム・特徴

2015.12.21

今回は肉離れをはじめとした筋損傷にスポーツ現場で出会ったときの対応と治療に関してまとめます。

実際にスポーツ現場で筋打撲傷や肉離れなどの筋損傷に出会ったら、もしくは自分が受傷したらどうしたらよいのかについて勉強しましょう。筋打撲傷と肉離れに分けてまとめていきます。

筋損傷は初期対応が非常に重要になってきますので、実際に現場で出会ったときにどう対応したらいいのかしっかりと確認しておきましょう。参考になれば幸いです。

Sponsored Link

筋打撲傷

サッカーをやっている方なら、大腿前面の筋打撲傷は受傷したことがあるのではないでしょうか。第1回の記事で筋打撲傷のことを「ちゃらんぽ」と書きましたが、「モモカン」とも言うそうで、御指摘を頂きました。

筋打撲傷では、衝撃の大きさが筋損傷の程度に直結します。損傷部から出血が血腫や浮腫を形成し、筋が腫脹して伸展制限を起こします。

このため大腿前面(中間広筋)の打撲では、損傷の程度(血腫の大きさ)によって膝関節の屈曲が制限されてきます。

したがって、

筋打撲傷が起こったときの適切な処置は、打撲後の出血を最小限に留めることが大切です。

そのために最も重要なのは、受傷後できるだけ早期に膝関節を屈曲させることです。

膝屈曲を保持することにより、損傷した筋の緊張を高め、血腫形成を抑制します。

実際には、受傷直後の膝関節屈曲角度を120°まで獲得できれば数日の安静でスポーツ復帰が可能であるとされています。

これに対して、受傷後の膝屈曲が90°以上不可能な場合には、復帰には3週以上を必要とすることが多いです。

筋打撲傷を受傷したら、直ちに練習や試合を中止し、膝関節を可及的に屈曲し固定することが大切であるということを覚えておきましょう。

(以上、奥脇透.総合診療.2015より引用)

医者

肉離れ

肉離れのほとんどは保存療法で十分治癒します。

下の記事で述べたように、軽症例では1〜2週間程度でスポーツ復帰が可能となりますが、復帰を焦るあまり再発してしまう例もあるため、確実なリハビリテーションを行う必要があります。

奥脇の分類|肉離れのスポーツ復帰時期を予測するMRIに基づく重症度分類

2016.04.14

ハムストリング、特に大腿二頭筋の肉離れは再発しやすく、慎重なリハビリテーション・復帰時期の検討が必要です。

テニスレッグ(腓腹筋)などのハムストリング以外の肉離れの治療・復帰

2016.04.19

急性期の治療

筋打撲傷と同じく、血腫形成の程度が肉離れの重症度、予後を決定する大きな要因となります。

そのため、

受傷後にどれだけ出血を抑え、血腫形成を最小限に留めることが非常に重要です。

受傷直後から48時間まではRICE療法を徹底させましょう。

RICE療法とは以下の4つの頭文字を取ったものです。

RICE療法

  • Rest(安静)
  • Ice(冷却)
  • Compression(圧迫)
  • Elevation(挙上)

関連記事:スポーツ現場での対応①(RICE療法)

移動には松葉杖を使用し、できるだけ免荷に努めます。

RICE療法に加え、可能であれば高圧酸素療法を受傷日から5日くらい毎日行います。高圧酸素療法は急性期の軟部損傷に有効であり、肉離れに限らず、急性期の靭帯損傷、打撲などにも用います。

安静期間は軽症なら1日、中等症なら2〜3日、重症なら1週間程度を目安にします。患側の荷重は痛みに応じて許可します。軽症では2〜3日で完全荷重が可能となりますが、中等症では1〜2週間、重症では2〜3週間を要するといわれています。

 

肉離れは、痛みは取れやすいが違和感として残り再発しやすい疾患です。
再発すると、さらに時間を要することになるため、復帰時期は慎重に判断する必要があります。
ストレッチ痛、抵抗運動時痛の消失、筋力の回復、アジリティートレーニングにおいての疼痛消失、持久力の回復などを十分に確認して復帰の判断を行います。
(以上、森川嗣夫.種目別スポーツ障害の診療:南江堂.2014を参考)

おわりに

以上、今回は肉離れをはじめとした筋損傷にスポーツ現場で出会ったときの対応と治療に関してまとめました。

筋損傷を受傷した選手に出会ったとき、自分が筋損傷を受傷したときの参考になれば幸いです。

その後の治療やスポーツ復帰、リハビリテーションについては下の記事を参考にしてください。

特に、肉離れは痛みは取れやすいが違和感として残り再発しやすい疾患です。

再発すると、さらに時間を要することになるため、復帰時期は慎重に判断する必要があります。

肉離れのスポーツ復帰までのリハビリ|再発を予防しできるだけ早い復帰を目指す!

2016.04.16
Sponsored Link

 おすすめの関連記事はこちら!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。