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膝内側側副靭帯(MCL)損傷|スポーツ復帰・治療・リハビリについて解説

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サッカーを愛する若手整形外科医です。 夢はサッカー日本代表チームドクターになること! 仕事でも趣味でもスポーツに関わって生きていきたい! 自分の日々の勉強のため、また同じ夢を志す方やスポーツを愛する方の参考になればと思い、スポーツ医学、整形外科、資産形成などについてブログを書いています。
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どうも、こんにちは。
若手整形外科医のよせやんです。

フットサルをした後、久しぶりに地元の友達と朝まで遊んでいたからか、今日は完全に体調不良です。明日も朝からフットサルの蹴り納めの大会がありますので頑張らないと…。

2週間前からこのブログとFacebooktwitterGoogle+を、最近、Instagramをリンクさせました。興味ある方はサイドバーの各ソーシャルメディアのボタンからお願いします。

さて、今日は昨日のMCL損傷の続きをやっていきます。

この記事では、MCL損傷の治療・スポーツ復帰・リハビリテーション・予防についてお話しします。

治療

MCL損傷の重症度は下図のように、Ⅰ度、Ⅱ度、Ⅲ度に分類されるのでしたね。

MCL 外反動揺性

MCL損傷の新鮮例に対しては、重症度に関わらず基本的に保存的に加療を行います。

膝伸展位および軽度屈曲位で不安定性を認めるⅢ度の損傷でも、保存療法が推奨されています。( Phisitkul P, et al. Iowa Orthop J. 2006 )

ただし、これはMCL単独損傷の時の話であって、

ACLやPCLなどの合併損傷がある複合靭帯損傷の場合には、治療法が変わってくる可能性があるので注意が必要です。

さて、MCL単独損傷の保存的治療の話に戻ります。

ギプスによる固定は行わず、内外反を制限する支柱付きの膝装具を装着させます。

これは内外反のみ制限して、膝関節の屈曲は行うことができるというものです。

MCLサポーター
図:MCLサポーター (c)ZAMST®

また、急性期はRICE療法により腫脹や疼痛のコントロールに努めることも大切です。

可能であれば、受傷後5日間くらいの間、高圧酸素療法を行うことで、鎮痛と腫脹の軽減に効果が認められます。RICE療法の時期が過ぎると、超音波やレーザーによる治療を行うこともあります。

膝伸展位で動揺性がない場合(Ⅰ度、Ⅱ度)、不安定性が少ないことが多く、そのほとんどが保存療法で軽快します。

膝伸展位で動揺性がある場合(Ⅲ度)、治癒後も動揺性が残存することがあり、不安定感が顕著な場合には修復術もしくは再建術の適応となります。

時間が経過していると修復術は困難であり、再建術を要する可能性が高いと思います。

MCL損傷の治療法およびスポーツ復帰に要する期間を下に示します。

治療およびスポーツ復帰
  • Ⅰ度:保存療法 1〜2ヶ月
  • Ⅱ度:保存療法 2〜3ヶ月
  • Ⅲ度:保存療法または手術療法 2〜6ヶ月

( 帖佐悦男編.スポーツ傷害の画像診断:羊土社.2013を引用し作成)

 

復帰を急ぎ、十分にリハビリテーションを行わないと、膝の不安定感や痛みを残したままの復帰になる可能性があるため、術後のリハビリテーションが重要です。

よせやん

リハビリテーション

では、一般的なリハビリテーションについてお話ししましょう。

例にならって、サッカー選手の場合を考えてお話ししていきます。

主に、下の文献を参考にしていてまとめていきます。

林光俊,岩崎由純編.種目別スポーツ障害の診療:南江堂.2014

受傷から2週間は靭帯の瘢痕性治癒を優先し、ダイナミックなエクササイズは行わないようにします。
早期に動かすことのデメリットとしては、損傷部の安静が保たれず、局所の腫脹と疼痛を長引かせることがあります。

この時期は、支柱付きMCL装具を着用し、SLR(Straight Leg Raising:下肢伸展挙上)やアウフバウトレーニングなどのリハビリテーションを行います。

受傷後3週より、固定自転車ウォーキング低負荷でのマシントレーニングを行います。

バランストレーニングは、インサイドキックは禁止の上で、基礎トレーニングを行います(膝の外反を防ぐため)。フルスクワットで患部に疼痛がなければ、ジョギングに移行します。

受傷後4週より、ランニングに移行し、徐々に期距離を伸ばし、ラップタイムを短縮していきます。

MCLに負荷のかかるアジリティートレーニングは、疼痛を誘発しやすいため、ゆっくりと動作の確認をしながらスピードを上げていきます

受傷後5週より、ランニング、アジリティートレーニングに問題がなければ、ボールを使ってのトレーニングに移行し、受傷から6週以降、ゲーム復帰を目指して全体のトレーニングに合流します。

まとめると、

MCL損傷のリハビリ
  • 受傷後2週間: MCL装具着用し、SLRやアウフバウトレーニング
  • 受傷後3週:固定自転車・ウォーキング・低負荷でのマシントレーニング・バランストレーニング・ジョギング
  • 受傷後4週:ランニング
  • 受傷後5週:ボールを使ってのトレーニング
  • 受傷後6週:全体トレーニングに合流

ただし、これはあくまでも目安であり、

各段階で問題がないことを確認してから、次のステップに進むことが肝要です。

Ⅱ度損傷以上の場合は、復帰まで9〜10週、場合によっては12週を要します。

リハビリテーションも、安静期を含めて各過程で時間をかけて進めていく必要があります。

復帰を急ぐあまり、後遺症を残す結果とならないように注意してください。

よせやん

予防

カエルのストレッチ

最後に、予防についてお話しします。

復習になりますが、足部 toe out(進行方向に対して足部が外側を向いている)の状態で、膝への過度の外反・外旋が働くためにMCLを損傷するのでした。

よって、MCL損傷の予防としては、膝の支持機能訓練として、バランストレーニングやフリーウエイトトレーニング、十分なランニングを十分に行うことが大切です。

特に、膝内側の安定性を保つためのハムストリング(特に内側ハムストリング)の強化が重要です。

また、膝と踵骨の外反や扁平足などの下肢アライメントは toe out の状態となり、MCL損傷を起こしやすいとされています。

運動時のアライメントにも注意し、足趾と膝を同じ方向にしたピボット動作やtwistingのトレーニング、サイドステップ、クロスオーバーステップ、アプローチリアクションなどの反復練習も大切だと思います。

おわりに

以上、今回はMCL損傷の治療とリハビリテーションに関してまとめました。

MCL損傷を受傷した選手、それをサポートする方の何かの参考になれば幸いです。

次回、MCL損傷としては稀ではありますが、重症であることが多いMCLの脛骨側損傷(引き抜き損傷)に関してまとめたいと思います。

 

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